NECが中堅・中小向け無線システムの販売を強化、構築支援ツール提供も

NECはモバイルセントレックスなどに利用する無線LANシステムの中小・中堅企業向け新製品を発表した。パートナーにもシステム構築支援ツールの提供を開始し、製品/販売両面でモバイルソリューションを強化する。

» 2006年10月10日 17時48分 公開
[ITmedia]

 NECは10月10日、企業向け無線LANシステムの新製品を発表した。無線システムは、無線アクセスポイント(AP)および無線IP電話機の高速ハンドオーバーやAPの一元管理を実現する無線スイッチからなり、主に小〜中規模向けの製品ラインを拡充するためのラインアップである。

 今回発表されたのは、(1)小規模サイト向けAP「UNIVERGE WL1700-MS」、(2)中規模サイト向け無線スイッチ「UNIVERGE WL5050」および(3)大規模サイト向け無線スイッチ「UNIVERGE WL5100」の3つ。

画像 WL1700-MS
画像 WL5050

画像 WL5100

 (1)はワイヤレスコントローラ機能を内蔵した無線スイッチ一体型APで、AP1台から安価に無線LANを構築する場合に適している。WL1700自体を含め4台までのAPを管理可能。(2)は、同社のSIP(Session Initiation Protocol)サーバUNIVERGE SV7000の増設用オプションとして提供されるカード型モジュール。4台までのAPを収容し、簡易型のRADIUS、DHCP機能を備える。(3)は12台までのAPを管理することができ、2007年2月にリリース予定のバージョン2では、従来モデルの2倍に当たる最大96台までをコントロールできるようになる。

 新製品の税込価格および出荷開始時期は、(1)が26万400円で2007年1月から、(2)が63万円で2006年11月から、(3)が105万円で2006年11月から。そのほか、カラーディスプレイとソフトキーを備える構内専用の無線IP電話機「UNIVERGE Terminal MH250」(税込4万4100円)もリリースされた。

画像 Terminal MH250

 併せてNECは、無線LANのシステムインテグレーション支援策として、構築を手掛ける販売パートナーに独自の無線LAN構築ツール群を無償で提供する。これは、同社のこれまでの数百もの構築案件で培ったノウハウを基に開発された無線LANシミュレーションツール。無線LANの電波状況や無線IP電話機の電波性能をシミュレートし、精度の高い置局設計が行える。ツールをSIに活用することで、無線LANシステム構築に要する期間が最大で50パーセント短縮できるとしている。

 また、販売パートナーの置局設計・構築技術のレベルアップを図るため、パートナー向けに無線LANの置局構築に関する教育・ライセンス制度を導入する。

 NECは一連のソリューションによる2007年度の売り上げを1000億円と見込んでいる。

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