シトリックスはアプリケーションのアクセスをより自由にInterview(1/2 ページ)

シトリックスは、新しいビジネスニーズにこたえ、アプリケーションへのアクセスを自由に行えるプラットフォームベンダーへと脱皮を図ろうとしている。

» 2006年10月17日 10時57分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 かつてサーバベースコンピューティングを掲げて、ニッチ市場のリーダーの座に就いたシトリックス・システムズだが、2005年以降、積極的な買収によってさまざまな技術を獲得、アプリケーションへのアクセスを自由に行えるプラットフォームベンダーへと脱皮を図ろうとしている。マーケティング本部の柳宇徹本部長は、従来からの基本的なニーズである「セキュアなアクセス」に加え、新しいビジネスニーズにこたえる「アドバンストなアクセス」を実現するためのさまざまな機能を拡充していると話す。

ネットワーク機器ベンダーで働いた経験を持つ柳宇徹マーケティング本部長は、「シトリックスのアクセスソリューションには大きな可能性を感じる」と話す

ITmedia 1960年代、70年代のメインフレーム時代から90年代のPC時代まで、この業界は一貫して分散化をたどってきました。しかし、セキュリティへの懸念や管理の難しさから振り子の揺り戻しが起こっています。

 情報漏えい防止や内部統制を図るため、企業はITを集中化してセキュアにしたいと考えています。揺り戻しはそれを反映したものです。しかし、集中化は、ユーザビリティーや生産性に大きな影響を及ぼします。ユーザーは、一度手に入れた便利さを手放したくはないでしょう。

 シトリックスのソリューションであれば、統制と生産性を求めるユーザーのニーズを「アプリケーションの仮想化」という技術によって橋渡しできます。データをクライアント側に残さずセキュアにできます。

ITmedia しかし、クライアントからのアクセスはLAN経由だけではなく、多種多様になっています。

 クライアントの環境は、従来からのリッチクライアントや、コンタクトセンターのオペレーター用のシンクライアント、あるいはWebブラウザなどさまざまです。ノートブックPCも、街中のホットスポットからアクセスしたり、自宅のADSLで接続したり……、ビジネスシーンによっていろいろな使い方がされています。

 シトリックスは、「集中化と分散化の橋渡し」というアプリケーションの仮想化の基本的なニーズだけでなく、こうした多種多様なアクセスに対応すべく、「アクセスのためのプラットフォーム」というソリューションを拡充してきました。昨年6月のNetScaler買収を皮切りに、さまざまな技術を統合し、Webアプリケーションの最適化やWANアクセスの最適化という機能を提供しているのはそのためです。

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