データセンターの新たなニーズに、ジュニパーがアプリ高速化製品の新ラインアップ

ジュニパーネットワークスは、WAN最適化アプライアンスやロードバランサなど企業のデータセンター利用を想定した製品群を発表した。

» 2006年10月17日 16時07分 公開
[堀見誠司,ITmedia]

 ジュニパーネットワークスは10月17日、WAN最適化アプライアンスなどデータセンター向けの3つの新製品を発表した。

 ジュニパーは、Webアプリケーション高速化のソリューションとして、WAN最適化の「WX/WXC」とサーバ向け負荷分散(ロードバランサ)である「DX」の、2つのプロダクトラインを持つ(関連記事)。今回発表されたのは、WXCの新機種となる「WXC 590」、およびDXの現行機種の後継に当たる負荷分散装置「DX 3280/DX 3680」の3製品。

WXC 590 OSがアップデートされたWXC 590
DX 3280 DX 3280は2GBのDRAMを搭載する
DX 3680 DX 3680はデュアルプロセッサ、冗長電源を装備したハイグレードモデル

 WXC 590では、専用の集中管理ソフト「WX CMS」がバージョン5.4となり、WANアクセスのパフォーマンスがさらに向上した。特徴は、独自の圧縮アルゴリズム(MSR/NSC)を基に、データ通信のシーケンスを内部の辞書と照合してパターン化し、情報量を少なくすることでトラフィックを抑える仕組み。新たに、対向のWXC間でファイルのデータパターンの辞書学習を行い、ファイルが更新された場合でも同じパターン情報を流用できるようにして、パフォーマンスの向上を図った。

 1台で2〜45Mbpsの帯域、140サイトをサポートし、最大6台をスタックすることで0C-3の155Mbpsにまで対応できる。バースト転送時は、ライセンス契約した帯域まではデータ圧縮し、それ以外は非圧縮の状態で転送する。内蔵ディスクによるキャッシュウォーミングやSambaにも対応した。9月に発売済み。

 また、DX 3280/DX 3680についても、パフォーマンスの向上が図られている。ASICによるハードウェアSSLアクセラレーションが可能になったほか、最大64台までのアクティブ-アクティブの冗長化構成に対応する可用性を備えた。セキュリティ付きのアプリケーションについて、クライアントのCookieをメモリ上に保持して代理認証を行い、複数のサービス認証を簡素化することもできる。なお、DX 3280は2007年第1四半期の発売予定。DX 3680は発売済みで、3.2GHz Xeonのデュアルプロセッサ構成、4GBのDRAM搭載という性能/可用性を高めた仕様になっている。

 ジュニパーではWX、DXの新製品を、7月に発表したエッジルータ「M120」と合わせてデータセンター向けソリューションとして売りたい考え。「ビジネスのリアルタイム性を損なわないソリューションの提供がわれわれの命題。サーバアプリケーションの集中化やHA、セキュアなインフラ利用といった、企業データセンターにおける最新のニーズに最適な製品を揃えることができた」(アジア太平洋地区担当プロダクトマネジャーの乙部幸一朗氏)。

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