ジュニパー、高密度ルータでキャリアイーサネット市場に参入

ジュニパーネットワークスは、10ギガビットイーサネットを最大48ポート収容可能なアグリゲーション用途のミッドレンジルータを発表した。

» 2006年10月19日 15時17分 公開
[堀見誠司,ITmedia]

 ジュニパーネットワークスは10月19日、ミッドレンジのシャーシ型ルータ「MX960 ESR」を発表した。企業のデータセンター/通信事業者のネットワークエッジでの利用を見込む。価格はオープンで2007年第1四半期に出荷される予定。

MX960 ESR トータルで720Mppsのパケット処理能力を持つMX960 ESR

 MX960は、イーサネット回線の収容に特化したルータ。ジュニパーネットワークスのルータとして、キャリアクラスのイーサネットサービス市場にフォーカスした初の製品となる。「この市場ではわれわれはレートカマー(新参者)だが、キャリア向けコアルータで培った品質・信頼性のの高い製品をリリースした」(ジュニパー)。

 本体は14スロット、1/3ラックサイズの小型の筐体ながら同社のM320の約3倍に当たる高いポート密度を誇り、1ギガビットイーサネット(GbE)ポートで最大480ポート、10GbEポートで最大48ポートまで収容することができる。同社のキャリア向けルータM/Tシリーズ共通のシステムの最新バージョン「JUNOS 8.2」や、M120に採用されたQoS用ASIC「I-chip」、冗長化電源などを搭載する。

 MX960の特徴の1つは、専用に新しく開発された「スイッチコントロールボード(SCB)」。スイッチファブリックとともにルーティングエンジンを搭載しており、標準の2枚にSCBをもう1枚追加することで冗長構成が可能だ。また、レイヤ2のブリッジ機能を将来的に追加できるようになっている。インタフェースカードとして1GbE×40ポートおよび10GbE×4ポートの2種類が提供され、標準構成時に12枚まで収容可能。

 サービス機能としては、MPLS、レイヤ2 VPN(MPLSベースのトンネリング)、広域イーサネットを実現するVPLS(Virtual Private LAN Service)をサポートした。

 同社は、競合製品となるシスコシステムズの「Catalyst 7609」やアルカテルの「Alcatel 7750」と比較して、MX960のポート密度の高さやシステムの堅牢さをアピールする。技術本部チームリーダーの長田篤氏は、「MXはキャリアのコアからエッジへと下りてきた製品。企業向けのレイヤ3のイーサネットスイッチをベースにキャリアクラスルータへ展開してきた他社とは逆のアプローチとなる」と話す。価格は未定だが、競合を意識した戦略的な設定にするという。多種のサービス回線を収容するM120などとはすみ分けができるとしており、MXのシリーズ化も検討している。

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