老舗BIベンダーSAS Institute Japanは、経営に役立つものとしてBIを認識してもらおうとしている。コンサルティングファームなどとの連携も重視し、経営層に向けた展開を強化する。
老舗BIベンダーSAS Institute Japanは10月20日、戦略説明会を開催。9月に社長に就任した吉田仁志氏は、都内で記者会見し「コンサルティングファーム出身の経験を生かし、顧客の経営に役立てる企業になりたい」と話した。経営に役立つ「本当のBI」を認識してもらうための体制作りを急ぐ。
BI(Business Intelligence)は企業内の膨大なデータを分類・分析・加工して意思決定に活用するためのシステム。企業規模での情報を集約してレポートするだけでなく、経営判断のための予測や洞察をもたらす全社的な情報基盤として進化してきた。しかし、先進的な一部の企業を除けば、「単なるレポーティングツールとしてしか使われていない」のが現状。この認識を打破したいという。
吉田氏は「BIが成果を上げていないのはIT基盤だけで認識されているから」と企業の組織上の問題を指摘。IT基盤と組織作りが重要で、人間や、企業文化、ナレッジ・プロセスといった多面的にとらえ、情報の活用レベルを引き上げていく必要があると話した。
BIを経営のためのシステムとして理解を深めてもらうため、IT部門に対するアプローチだけではなく、コンサルティングファームなどとの連携も重視する。「しっかりと役割分担をして、チームとして顧客の課題解決を推進していきたい」という。
パートナー制度にも見直しをかけ、経営層にアプローチできるソリューションとして機能するプログラムを新規に立ち上げる。一方、SAS社内では、製品中心ではなく顧客中心の基本に立ち返り、「顧客とともにわれわれも変わっていきたい」と話した。
また、これまでノータッチだった官公庁向けソリューションにも取り組んでいく。
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