巨艦、HPのIT変革を支えるのはCEOのリーダーシップとOracleOracle OpenWorld San Francisco 2006 Report(1/2 ページ)

「Oracle OpenWorld San Francisco 2006」の2日目は、HPのスポンサーキーノートで幕を開けた。同社とOracleの緊密な関係は四半世紀に及び、ハードCEOが主導するIT変革のカギを握るのもOracleだ。

» 2006年10月25日 07時58分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 米国時間10月24日、カリフォルニア州サンフランシスコで開催されている「Oracle OpenWorld San Francisco 2006」の2日目は、Hewlett-Packardのスポンサーキーノートで幕を開けた。同社とOracleの緊密な関係は四半世紀に及び、両社共通の顧客は10万社に上るほか、互いに最大の顧客の1社でもある。

熱心な参加者たちは早朝からのキーノートにも列をつくる。写真はモスコーニセンターの北館。左手には特設ランチ会場のテントが並ぶ

 昨年4月、カーリー・フィオリーナ氏の後継として社長兼CEOに就任したマーク・ハード氏(現在は会長兼CEO)は、リーダーシップを発揮し、組織階層の簡素化やITの見直しを断行、就任から約1年半で巨艦、HPを変革することに成功した。10月末で締める2006会計年度の売り上げは、予想を超える912億ドルに達するとみられている。

 Oracle OpenWorldのステージに登場したハード氏は、「わたしはCEOとして、IT部門に対して、コストを削減しながらもより良い情報が得られるよう要求した。HPのIT変革にOracleは重要な役割を担っている」と話した。

ハード氏はNCRのTeradata部門を大きく成長させた手腕を買われて同社CEOに昇格、2004年4月にはHPの立て直しを託され、HPのCEOに就任した

 ハード氏は、企業の旧態依然としたITシステムの価値が経年劣化していくのに、それにかかわるIT労働者が増加しており、IT支出のわずか10%しか、イノベーションのためのプロジェクトに回らない現状を指摘する。

 「HPのサプライチェーンは、年間500億ドル相当を調達している。Oracleデータベースで管理しているのだが、簡単なことではない。2万5000人のユーザーが24時間利用し、年間5000万品目のトランザクションがあり、そのデータは40テラバイト以上に膨れ上がる。サプライチェーンだけでこれだ」とハード氏。

 彼は、CEO就任から間もない昨年7月、DellのCIOを務めていたランディ・モット氏を引き抜いた。同氏は、Wal-Mart StoresやDellでNCR Teradataを導入し、大規模なデータウェアハウス構築を推進したことで知られている。ハード氏はNCR時代にTeradata事業の責任者を務めており、旧知の仲というわけだ。

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