レビュー:Firefox 2.0に施された堅実な改善点Firefox Hacks(4/4 ページ)

» 2006年10月28日 08時00分 公開
[Joe-'Zonker'-Brockmeier,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine
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タブ機能の改良

 Firefox 2.0では、いったん閉じたタブを再表示する機能が追加された。こうしたタブの再表示機能をFirefoxが装備した理由だが、別のタブにフォーカスを移動させる際に、誤ってタブを閉じるためのボタンをクリックしてしまうケースが頻発するためだと考える方もおられるだろう。ところが、そうした誤操作をする確率は思ったほど高くはない。というのも、クローズボタンが表示されるのはアクティブなタブだけであり、誤ってタブを閉じるとすれば、連続して2度クリックする必要があるからだ。

 タブバーの右端には、表示中のタブを一覧するためのメニューが追加されており、多数のタブを開いている場合などは、このメニューをクリックすることでタブ名をリスト形式で確認できるようになった。なおFirefox上で表示しきれないほど多数のタブを同時に開いた場合だが、その場合はタブタイトルが読めなくなるまでタブ幅を縮めるのではなく、タブ列の表示範囲を移動させるための矢印がタブバーの両端に表示される。

Firefox 2.0's new tab layout Firefox 2.0で変更されたタブのレイアウト(クリックで拡大)

 今回のFirefoxについてはリリース候補からファイナルバージョンまでを試してみたが、いまだ放置されているバグが1つあるようなので、ここで指摘しておこう。デフォルトのFirefoxでは、別ウインドウとして開くタイプのリンクであっても、新規タブとして開くよう設定されている。こうした挙動自体にバグはないのだが、意図的に設定を変更してタブではなくウインドウとして開くよう指定したところ、何故かFirefoxはこのデフォルトの挙動に復帰してしまうのだ。何が原因でデフォルトの挙動へのリセットが行われるかは不明であるが、わたしがFirefoxのタブ設定画面を何度確認しても「新しいウインドウで開く」はチェックされ続けているのである。ここでの設定を「新しいタブで開く」に変更すれば問題はなくなるが、それは一時的な措置にすぎない。

Firefoxの今後

 Mozilla現象学者(実際にそういう肩書きだそうである)のマイク・ベルツナー氏と2.0リリースについて語る機会を得ることができた。Firefox 2.0の新機能を絶賛する同氏が語ってくれたのは、Firefox Partyの新規リリース記念キャンペーンや、2.0以降のリリース予定についてであった。

 ベルツナー氏の語るところでは、Mozilla開発陣は機能拡張のインストールないしアンインストール後におけるブラウザの再起動を無用化しようと構想しているそうである。最も現行のFirefoxを見てみると、スタートアップ時に機能拡張を登録する必要があるので、現在のコードベースのままでそれを実現するのは無理があるだろう。

 また同氏は、今後Firefoxのユーザーはより頻繁に実験的なビルドに遭遇することになり、機能拡張や新規ビルドの形でFirefox Labsの開発する新機能を体験することになるだろうとしている。現状でそうした新種のビルドが完成している訳ではないが、ベルツナー氏によると、実験的な機能を取り込んだFirefoxが世に出されるのは、そう遠い未来の話ではないとのことだ。

 Firefox開発の最先端をフォローしたいのであれば、今のうちからFirefox 3.0コードベースを視野に入れておくべきだろう。Firefox 3.0については開発計画およびナイトリービルドが公開されているが、これらの完成度はファイナルバージョンのFirefoxはもとよりβリリース以前の段階にあるはずなので、試用する場合はそれ相応の覚悟が必要だ。実際、わたしが最新版のナイトリビルドを試したところ、起動させただけでsegfaultが発生した。

 現行の暫定的なスケジュールによると、3.0リリースは2007年5月に予定されており、feature freeze(機能の凍結)および最初のβリリースは2月末とされている。

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