「夢があふれるテーマパークは、デジタルデザインで実現する」

オートデスクは、最新のデジタルデザインを紹介する「Autodesk University」を、日本で初めて開催した。

» 2006年11月07日 19時00分 公開
[ITmedia]

 オートデスクは11月7日、ユーザー向けのイベント「Autodesk University Japan 2006」を東京都内で開催した。同イベントは、製造や建設分野などのユーザーに対する情報提供や交流を目的に、

毎年米国で開催されているもの。日本での開催は今回が初となる。

挨拶に立つオートデスクの志賀哲也 代表取締役社長 挨拶に立つオートデスクの志賀哲也 代表取締役社長

 冒頭、代表取締役社長の志賀哲也氏は、「日本は国際技能オリンピックで初の表彰台独占を果たし、本来の技術力、活力を取り戻しつつある。当社もその一翼を担いたい」と挨拶。イベントでは設計や営繕、設備計画などのテーマで、30以上のセッションや実習が行われた。

 施設や生産財のデザインでは、業務の効率化を図るデジタル技術が数多く活用されている。セッションに先立つ基調講演では、ディズニーのテーマパーク施設やアトラクションの設計を手がける米Walt Disney Imagineeringのグレイグ・ラッセル氏(環境デザイン&ショー/遊具設計担当 バイス プレジデント)が、最新のデザイン活用について、事例を交えて発表した。

デジタルデザインの可能性を追求する、米Walt Disney Imagineeringのクレイグ・ラッセル バイスプレジデント デジタルデザインの可能性を追求する、米Walt Disney Imagineeringのクレイグ・ラッセル バイスプレジデント

 同社では、3D(空間)、4D(空間+時間)、5D(空間+時間+コスト)の概念を取り入れたバーチャルデザインを活用している。ラッセル氏によれば、検討段階での効率が高まり、実際の施工においてデザインとの整合性も向上するという。

 香港のディスニーランド建設では、高さ60メートルの山の内部構造を検討するためにバーチャルデザインを活用した。3000本以上の鉄骨が組み合わせる複雑な設計だったものの、デスクトップ上のバーチャルデザインを用いて変更内容の検討を幾度となく行った。このため、実際の施工では現場レベルで修正可能なデザインとの相違がわずかに3カ所だけだったという。

 また4Dのバーチャルデザインは、現在進行中のプロジェクトに採用され、施設内を移動する乗り物の乗車時間に合わせて、アトラクションがどのように展開されるのかを検討するシミュレーションに利用されている。ラッセル氏は、「Autodeskと当社開発のソリューションを組み合わせることで、複雑な検証を効率的に短時間で行うことができるようになった。今後は5Dのバーチャルデザインの有効性を高めていきたい」と語った。

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