Oracle SOA Suite 10g Release3発表、JDeveloper製品版も無償公開

日本オラクルは、SOA対応システム環境を実現する機能をパッケージ化した「Oracle SOA Suite 10g Release3」を正式発表した。併せて、初のSOA統合開発環境であるOracle JDeveloperも無償公開した。

» 2006年11月13日 16時39分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 日本オラクルは10月13日、SOA対応システム環境を実現する機能をパッケージ化した「Oracle SOA Suite 10g Release3」を正式発表した。併せて、J2EEとSOAに対応した初のSOA統合開発環境「Oracle JDeveloper Release 10.1.3.1」もOracle Technology Network-Japanで無償公開した。いずれも10月初め、プレビュー版を公開していた。

 日本オラクルは2005年7月からSOA対応を強化したミドルウェア製品群「Oracle Fusion Middleware」を提供してきた。今回発表されたSOA Suite 10g Release3によって、Fusion Middlewareの中核となるSOA基盤製品群を再統合し、Oracle Applicationsや顧客の既存システム、あるいはさまざまなERPやISVアプリケーションを有機的かつセキュアに連携する基盤として売り込んでいくという。

 システム製品統括本部長を務める三澤智光氏は、「日本オラクルはBPEL Process Managerを中核としたSOAスイートを既に160セットを出荷している」とし、競合他社を大きく引き離す実績を強調する。

 今のところ、その9割は、SOAの技術を活用して、データ連係、ワークフロー、システム連携といった目前の課題解決を図る手法として採用されているが、三澤氏は、SOA Suite 10g Release3であれば、SOAの適用領域がさらに拡大され、企業基盤の再整備を図る「Enterprise SOA」の実現も担うことができると話す。

 SOA Suite 10g Release3には、IBM、BEA、SAPとは違い、以下のような包括的なコンポーネントがそろえられており、価格は625万円(プロセッサ当たり)と、他社の半額程度に抑えられているという。

  • Oracle Enterprise Service Bus
  • Oracle BPEL Process Manager
  • Oracle Business Activity Monitoring
  • Oracle Web Services Manager
  • Oracle Business Rules
  • Oracle Service Registry

 ただ、全社への適用となると、コストはもちろんだが、その高可用性や拡張性も求められてくる。

 「BPELエンジンおよびESBをどちらもHA構成できる。増加するサービスも一元的にポリシー管理できるWeb Serices Managerや、プロセスの処理状況を監視するBusiness Activity Monitoring、サービスの情報を一元管理するService Registryも包括的に用意している」と三澤氏。

 さらに三澤氏は、データ統合に強みを見せるベンダーらしく、変化に強いシステム基盤を構築するには「データ連携/統合」が重要であり、プロセス連携とデータ連携/統合を同時に進めるアプローチこそ理想のSOAだとする。

 日本オラクルでは、こうした製品の投入と併せ、「SOA導入アプローチ&アセスメントサービス」も提供する。顧客のSOAプロジェクト計画策定を支援するもので、約20社を目安に無償で実施するという。また、3日間でBPELによるシステム連携を学ぶ「SOA TOPGUNコース」も開始する。

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