ソーシャルメディアでビジネスを動かす(前編)――注目されるSMOとは?

ブログやインターネットコミュ二ティなどからのトラフィックを自社Webサイトに呼び込むことで、製品やサービスの理解を促すための手段とするSMO(ソーシャルメディアの最適化)が静かに注目されている。新たな企業プロモーションとしても注目される「SMOの5つのルール」とは?

» 2006年11月14日 07時00分 公開
[富永康信(ロビンソン),アイティセレクト]

新しいSMOの5つのルール

 SMOというキーワードは、これまでSEO(検索エンジン最適化)とSMO(Social Marketing Optimizationソーシャルマーケティング最適化)の対比で使われてきた。情報とマッチする確率が高いCGM(Consumer Generated Media)をいかにして企業マーケティングに応用させるかといった議論だ。結局、SEOに加えSMO対策も重要という結論で落ち着いている。

 ところが最近、“ソーシャルメディアの最適化”としてのSMOがクローズアップしてきた。米ニューヨークに本社を置くオグルヴィ・ピーアール・ワールドワイド社のインタラクティブ・マーケティング部門副社長のRohIT Bhargava氏が、今年8月10日に自身のブログで唱えたのが最初といわれている。その後、ブロガーたちの間でも瞬く間に話題となった。Bhargava氏の示した「SMOの5つのルール」のあらましは、おおよそ次のようになる。

1. コンテンツへのリンクを増加させる

 他からリンクされやすいよう工夫することが最も重要なことで、それにはブログで情報公開することが効果的。また、ホワイトペーパー(製品・サービスの優位点や最新情報、技術解説などをドキュメント化したもの)の作成や、あちこちに散らばった情報を集めて統一フォーマットにすることも有効。

2. タグやブックマークを容易にする

 ソーシャルタグやソーシャルブックマークに登録してもらいやすいよう、自社のWebページにそれらサービスへの登録ボタンを配置しておく。

3. リンクを張ってくれたメディアに報いる

 ほかからリンクがされると、自社のブログ(もしくはWebサイト)は検索の上位にランクされやすいため、各情報にはパーマリンク(個別のURL)を設けて閲覧しやすいようにする。また、最近リンクをしてくれたメディアをサイト上で紹介して報いることも大切なマナー。

4. コンテンツを伝播させる

 自社サイトにPDFや映像・音声ファイルなどを置き、それらを自由に活用してもらう。それにより、より多くのメディアに情報が到達し、結果的に自分のサイトへリンクが誘導されてくる。

5. マッシュアップを奨励する

 他のメディアが情報をマッシュアップしやすいよう、コンテンツをオープンにする。また、RSSなどを利用すれば、自社サイトへのトラフィックが増大する。

 また同氏の定義を受けて、他のブロガーからも、「自社の利益にならなくてもユーザーのための情報源になる」や、「ソーシャルメディアに積極的に参加する」、「SMOを自社のプロセスの一部やベストプラクティスに加える」などといった11項目が付け加えられ、現段階でSMOのルールは16個とされているようだ。

 次回は、今までのマス・マーケティングとSMOとで明らかに異なるマーケティングプロセスと事例を見ていく。

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