MS、管理型サービス計画を明らかに

Microsoftがメッセージングとコラボレーションにフォーカスした管理型サービスの計画について語った。

» 2006年11月15日 14時59分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 米Microsoftは向こう1年で管理型サービスを提供する顧客の数を増やす計画だが、これらのサービスは主に、デスクトップ管理よりもメッセージングとコラボレーションにフォーカスしたものになる。

 同社の管理型サービスへの進出は、これまで「本当の学習体験だった。2、3の問題を見つけたと言うと控えめな言い方になる」と同社のサーバ・ツール担当上級副社長ボブ・マグリア氏は11月14日、IT Forumの基調講演で語った。

 Microsoftは米Energizer Holdingsとの試験プログラムで管理型サービス事業を開始した。この事業はその後、米XL Capitalに拡大された。

 このEnergizerのプログラムにより、Microsoftはパッチをダウンロードし、最新ソフトを導入し、電子メール、電子文書ストレージ、関連サーバを管理し、ヘルプデスクなどのユーザーサポートを提供することで、約6000台のデスクトップシステムを最新の状態に保つことができる。

 Microsoftはまた、いずれはかなりの顧客が有料サービスとして同社のITインフラの一部を獲得したがるだろうと考えていると、マグリア氏は講演後の会見で語った。

 「だが、これらはカスタマイズされた環境ではなく、むしろ顧客が利用できる選択肢の数が適度に限定された環境になると言わなくてはならない。このトレンドは数年後に主要になるだろう」(同氏)

 管理型サービスというアイデアは2000年にかなり注目を集めたが、インフラとソフトの準備が整っていなかったために当時は成功しなかった。

 「われわれにとって最も重要なのは、このトレンドが主流になったときに、当社のソフトがそのプロセスの一部として使われるということだ」(マグリア氏)

 Microsoftは管理型サービスへの参入から、インターネット全体においてソフトが透過的に動作しなくてはならないこと、すべてにおいて、データのやり取りの方法を変える必要があることなど、多くのことを学んだ。

 「われわれは、マルチテナンシーにもフォーカスする必要がある。マルチテナンシーでは、サーバファームの1台以上のサーバでサービスを受けている企業が多数あるかもしれないということをソフトが認識できる」(マグリア氏)

 Microsoftはまた、この環境でのデスクトップ配備の複雑さも苦労して学んだ。それがSoftricityとSoftGrid技術を買収した理由の1つだ。同技術はソフトをデスクトップ管理サービスとして利用できるようにし、企業のデスクトップ管理コストの削減を可能にするだろう。

 Microsoftパートナーの一部は同社と直接競合するとの見通しについて懸念しているが、マグリア氏は同社がこの分野に参入するのはホスティングパートナーと競合するためではなく、同社は最初はアプリケーションではなくデスクトップ管理型サービスにフォーカスすると明言した。

 だが同氏は、同社は「少なくとも学習の観点から」アプリケーションサイドにも目を向けるだろうと認めた。

 Microsoftに管理型サービスの提供を期待している顧客は十分いるし、機能が向上すれば、同社はもっと多くの顧客を獲得するだろうと同氏。

 「これはいずれ巨大な市場になる可能性があり、われわれはソフト事業の付加的なチャンスだと考えている。これは主に顧客が社内の労働コストを節約する役に立つもので、そこから収益が生まれるだろう。われわれはこの分野を楽観的に見ているが、少し時間がかかるだろう」(マグリア氏)

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