マクニカネットワークス主催のイベントで、米Packeteerのデーブ・コーテイCEOがWAN高速化戦略を紹介した。
「ネットワークからアプリケーションまでを網羅し、未知の課題に備えるソリューションを提供する」。11月17日に開かれたマクニカネットワークス主催「Macnica Networks DAY2006」の特別講演で、米PacketeerのCEO、デーブ・コーテイ氏がWAN高速化の取り組みについて紹介した。
冒頭でコーテイCEOは、企業が対処すべき現在の課題として、基幹業務システムの統合によるアプリケーションやネットワークのパフォーマンス低下を指摘。「ファイルアクセスの遅延を解消するソリューションを当社が提供していく」と述べた。
コーテイCEOによれば、「企業のWAN上では200種類以上のアプリケーションが動作し、リソースの50%を占有している」という。
Windowsシステムのファイルアクセスに使われるCIFS(Common Internet File System)は、LANでの利用を前提としている。WAN経由でのアクセスで多くのメッセージ交換がなされるために大きなオーバーヘッドが生じ、ファイル操作のレスポンス悪化やアプリケーションの通信帯域を圧迫する問題が生じる。このため同社は、2006年5月にWAFS(WANファイルアクセス高速化)に強みを持つ米Tacit Networksを買収した。
WAN高速化の基本的なアプローチとして、次のようなステップを踏むという。
これに同社の帯域制御技術を組み合わせることで、本社のデータセンターから支店やモバイル環境にいたるまで、ネットワーク経由によるファイルアクセスのパフォーマンスを向上できるとしている。
コーテイCEOは、今後の方針としてMicrosoftとの連携強化を掲げる。データへのアクセス性を向上させるソリューション提供や企業の本社・支社間ネットワークの統合管理環境の構築、仮想化技術を活用したモバイル環境での業務効率の向上をなどいも重点的に取り組む考えだ。また、内部統制やコンプライアンスに即したネットワーク運用ソリューションにWAN高速化技術を展開していく。
最後にコーテイCEOは、「映像と音声が統合したコミュニケーションやSOA(サービス志向アーキテクチャー)、基幹システムの統合など、次なる課題はすぐ近くまで来ている」と締めくくった。
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