MS、PLAN-Jの新施策となる国内企業支援プログラムを発表

マイクロソフトは11月20日、国内IT産業の振興を目指し、東京・調布の自社開発施設を提供する技術支援、製品検証のプログラムを発表した。

» 2006年11月20日 17時16分 公開
[柿沼雄一郎ITmedia]

 マイクロソフトは11月20日、国内IT産業の振興を目指し、自社施設を提供した技術支援、製品検証のプログラムを発表した。

 マイクロソフトイノベーションセンター(MIC)と呼ばれるこのプログラムは、国内における同社の製品開発拠点である調布技術センター内のファシリティおよび技術リソースを提供し、IT産業における技術研究や製品開発・検証を支援するもの。新たなビジネスの創出や国内外への展開を推進することが目的。

 米Microsoft Corporation上級副社長であり、米Microsoft Internatinalの社長でもあるジャンフィリップ・クルトワ氏は、「われわれは1991年、ソフトウェアの会社として世界で初めて、イノベーションのための設備であるMicrosoft Researchを設立した。当初より、イノベーションに対しての投資が重要であると認識していたからだ。そしてついに今年は75億ドル以上の研究開発費をつぎ込んでいる」とイノベーション(技術革新)への取り組みを示し、ソフトウェア産業の健全なエコシステムの構築にはこうした投資が必要不可欠であると述べた。

米Microsoft Corporation上級副社長兼米Microsoft Internatinal社長のジャンフィリップ・クルトワ氏

 そして国内企業については、「日本のテクノロジーは世界をリードしている。特許の取得数が多い企業トップ10社のうち、5つまでが日本の企業だ。こうした日本のソフトウェアの技術に対して、世界の認知や評価はまだ十分なものではない」として、「知財をいかに商業化できるかが重要になる。こうしたイノベーションを通じてポテンシャルを高め、ビジネスの幅を広げてもらい、さらなるイノベーションの好循環を国内のIT産業で進めていくこと」が本プログラムの狙うビジョンであるとした。

 またマイクロソフト代表新執行役社長のダレン・ヒューストン氏は、「PLAN-Jは1年半が過ぎて中間地点に来た。国内大小7000以上のパートナーは国際的に見ても優れた技術力を持っており、PLAN-Jを通じてWin-Winの関係を築くことのできた例も多い。こうした現状からのさらなるステップアップを目指し、本MICプログラムを発表する」とその熱意を示す。

米Microsoft Corporation副社長兼マイクロソフト 代表新執行役社長のダレン・ヒューストン氏

  マイクロソフト 最高技術責任者(CTO)の加治佐俊一氏によると、MICの活動は当初、4つのプログラムで進められていくという。

マイクロソフト 最高技術責任者(CTO)の加治佐俊一氏

 その1つ目、テクノロジーイノベーションプログラムは、個人や組織からアイデアを募集し、その実現(製品化や国内外へのビジネス展開)を支援する。調布技術センターに在籍する380名からのエンジニアが技術サポートを行い、2007年6月までに2ないし3つの事例を目指すという。

 アプリケーションプラットフォームプログラムは、マイクロソフトのプラットフォーム製品ベースのアプリケーション開発会社に対して、トレーニングや移行ツール、技術情報、プログラミング技法、ハードウェアを利用した検証などを1つのパッケージとして提供するもの。こちらも2007年6月までに100社の支援を行う予定。

 プラットフォームサポートプログラムは、エンタープライズ、ミッションクリティカル、HPC分野などハイエンドソリューションの開発、検証のためのファシリティを提供する。

 そのほか、IT産業の人材育成を目的として、ソフトウェア事業を創出するための支援(技術、経営、営業などのコンテンツ)を提供する人材育成プログラムも含まれる。

 2007年の夏には、こうした成果が一堂に会する「Innovation Day!」という発表展示会も開催されるという。さらに商業的な成功を収めたものや優れたテクノロジーとして認められたものについてはアワード(表彰)も行われる予定。

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