JBossフルーリ氏、Red Hatへの不満を語る

「Red Hatに来たのはJBoss研究開発部門への投資を得るため」とフルーリ氏は語り、NovellとMicrosoftの論争にもコメントした。

» 2006年11月22日 13時26分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 Red Hatの一部になってから6カ月、JBoss部門の責任者マーク・フルーリ氏は自分の開発チームのための投資を求めている。

 JBoss World BerlinカンファレンスでeWEEKの取材に応え、JBoss創設者で同社を4月にRed Hatに売却した同氏は、より迅速な革新のため、JBoss開発チームがもっと優秀なエンジニアを雇うなどの対策が取れるよう、「多額の投資」を求めていると語った。

 「わたしの好みにしては、ちょっと静かにしすぎていた」とフルーリ氏は買収後の6カ月間について語った。

 「Red Hatとの統合に取り組んできた。営業は統合されたが、研究開発は影響を受けてこなかった。今はこの事業を成長させようとしている」(同氏)

 さらに、「Red Hatに来たのは、急速な成長のため、JBossの研究開発部門への投資を得るためだった」と同氏は言う。

 「それはまだ実現していない。わたし個人としてはそれが少々不満な点だ。だが、実現はするだろう。われわれは今事業を成長させなければならないし、Linuxレベルの競争を鑑みるに、急速な成長は必要だからだ」(同氏)

 同氏は、競合他社が「ミドルウェアにおけるわれわれの勢いを削ごうとしている」ため、Red Hatはかなりの競争に直面しつつあると述べた。

 だが、必要なのは同社のミドルウェアへの取り組みを加速することだと同氏。

 Red Hat内でOSエンジニアかミドルウェアエンジニアが主導権を取っている――つまり「しっぽの方が犬を振り回している」――のかとの質問に対し、フルーリ氏は雄弁に答えた。「わたしには力はない。わたしの会社ではない。わたしは自分の会社を売ったのだ。だからわたしが犬を振り回しているのではない。だが、わたしはこれには関係ない」

 「重要なのは、開発者が邪魔されずに仕事を続けていることだ。それがこのまま続いてくれることを望んでいる。結局のところ、Red Hat経営陣はミドルウェアではなくOSに従事しているからだ。彼らが開発の点でもたつくのは嫌だ」(同氏)

 JBossの営業、サポート、マーケティング組織はRed Hatの投資により恩恵を受けたが、「研究開発は莫大な投資の恩恵にあずかっていない。それこそわたしが求めていたものであり、Red Hatに来た主な理由だったのだが」(同氏)

 同氏は、自分の一番の関心事はJBossの中核開発者と開発コミュニティー全体であり、それ故に不満だと語る。

 ただし、自分の中のプラグマティストはもっと大局を見なければならないことを分かっていると同氏は言う。

 「裏を返せば、彼ら(Red Hat)は邪魔をしなかったということだ」(同氏)

 JBossの研究開発部門にとって、Red Hatの下で動くことは「わたしが望んでいた、好ましいことではない。彼らが邪魔をしてきた場合ほど悪いことではないが」と同氏。

 「現状はニュートラルだ。わたしは投資が必要だと思っており、今もそれを待っている」(同氏)

 またフルーリ氏は、「LinuxがMicrosoftの特許を侵害している」とするMicrosoftの発言に対するNovellのロン・ホブセピアンCEO(最高経営責任者)の反応についてコメントした。

 「あれでは彼がダメに見えてしまう」とホブセピアン氏がオープンソースコミュニティーにあてた公開書簡について同氏は述べた。「彼は何を期待したのだろう。何を考えていたのだろうか?」

 フルーリ氏は、NovellはそもそもMicrosoftと取引をしなければ、このような状況を避けられただろうと語る。

 同氏は、Red HatはNovellにアプローチして、協力を求めたとしている。

 「彼はMicrosoftのところへ行った」と同氏。「(JBossとRed Hatの)買収契約が成立した後で、ロンはMicrosoftへ行った」

 だがその前に、フルーリ氏は、同氏とRed Hatの技術者数人が「ロンのオフィスで『JBossのサポートをやめないでほしい。われわれもNovellをサポートする』と言って、和平を申し出た』と語る。「特許の話もした。それで彼がどうしたかと言うと、騒ぎ立ててレドモンドへ走っていった。それでレドモンドがああいうことをやって、彼はそれを非難している。そんなことははなから想像がついたはずなのに」

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