XAMPPはJ2EEの競合に育つか?1分ショートレビュー

最近、「XAMPP」という言葉を目にする機会が多くなった。Apache、MySQL、PHP、Perlなどをワンパッケージで利用できるソフトウェアスタックだが、開発環境としては非常に便利である。

» 2006年12月01日 09時39分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

ここで紹介する記事は、developerWorksの「容易な統合開発のためにXAMPPをインストールする」です。


 最近、「XAMPP」という言葉を目にする機会が多くなった。個人的な話をすると、IT業界でよく耳にする3文字略語の多くはバズワードで、4文字略語はそれなりに意味があることが多いと思うのだが、このルールに照らすと、XAMPPは知っておいてもよい言葉になるかもしれない。

 XAMPPは、LAMPと語感が似ていることからも想像がつく方もおられるかもしれないが、AMPP(Apache、MySQL、PHP、Perl)パッケージであり、Linuxで利用できる、数少ない非商用AMPPミドルウェアスタックの1つである。Apache Friendsから提供されているものだが、Linux版だけでなく、Windows、Solaris、Mac OS Xに対応(Solaris、Mac OS X版はβ版)したものも用意されている。

 このパッケージの便利さは、それぞれのパッケージをインストールし、さらにそれらを結合させる手間を知っている方なら、すぐに理解できるだろう。Apacheを普及させるための非営利組織であるApache Friendsのサイトからtarファイルをダウンロードし、それを展開するだけでインストールは終了する。あとは、サービスをスタートさせるだけでよい。

 developerWorkで掲載されている記事では、PHPでPEAR::DBを使った、データベース接続とデータ取得を行うアプリケーションを作成を通してその簡便さを紹介するが、これを見れば、「こんなに楽になったのか」と驚く方も多いのではないだろうか。惜しいのは、PHPの実行環境としては非常に使いやすいが、Perlとの連携になると、場合によってはアドオンなどの入手が必要になることだろうか。

XAMPPの管理画面(出典:developerWork)

 魅力的なXAMPPだが、XAMPPはプログラマーが何ら制限なくツールセットを自由に使用できるように構成されている。これは裏を返せば、非常にセキュリティが低く設定されているということである。もちろん簡単なコマンドで各パッケージのパスワードなどを設定できるようにはなっているが、それでも用途としては開発環境での利用がメインとなるだろう。

 しかし先日、エグザクソンが国内でサポートセンターを開設したと発表した(関連記事参照)。セキュリティの部分やパッケージのアップグレード時の対応が十分に練られているのなら実稼働での利用にわずかながら弾みがつくかもしれない。

 Java 2 Enterprise EditionというJavaアプリケーションのミドルウェアスタックが登場したことで、ソフトウェアを取り巻く状況は劇的に変化した。一方、オープンソースのコミュニティーにはそれに似た統合アーキテクチャーがなかったため、しばらくの間、取り残された状態になっていたが、XAMPPのようなミドルウェアスタックが登場したことで、特にローエンドの市場から普及が進むことが予想される。

ここで紹介した記事は、developerWorksの「容易な統合開発のためにXAMPPをインストールする」です。


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