Yahoo!とMSN、検索結果の危険度増大――米McAfee調査

検索エンジンの安全性ランキングも変化しており、Google、AOL、Askの検索結果の安全性が高まった一方で、Yahoo!とMSNの検索結果は危険度が高まっている。

» 2006年12月12日 14時13分 公開
[Brian Prince,eWEEK]
eWEEK

 セキュリティ企業の米McAfeeが発表した最新の調査報告によると、検索エンジンユーザーは依然として、検索結果に表示されるWebサイトをクリックすることで、オンラインでの安全性を脅かされる危険にさらされている。この調査は、米国トップ5の検索エンジンであるGoogle、Yahoo!、MSN、AOL、Askを対象にMcAfee SiteAdvisorを使って実施されたもの。その結果、検索結果を通じて危険なサイトをクリックする可能性は今年5月から全体で12%減少したものの、米国ユーザーが検索エンジンを介して危険サイトをクリックする件数は月間2億6800万回以上に上ると推計されている。

 McAfee SiteAdvisor戦略担当ディレクター、クリス・ディクソン氏は声明で次のように語っている。「検索エンジンの検索結果をクリックする行為の安全性がわずかながらも改善されたのは喜ばしいことだ。だが、広告と連動したスポンサー付きリンクについては依然として、ほぼ12個に付き1個の割合で危険サイトにリンクされており、今後も改善の余地は大きい」

 この調査報告は今年5月に最初のバージョンが発表されている。調査員は、検索エンジンやそのほかの情報筋から集めた検索リストを基に人気のキーワード2500語程度を集めたリストを作成し、それぞれのキーワードについて、各検索エンジンで検索した場合に表示される最初の5ページ分の検索結果を分析した。

 調査報告によると、全体では平均で検索結果の4.4%が危険なWebサイトにリンクされている。一方、スポンサー付きの検索結果については、McAfee SiteAdvisorによって「赤」または「黄」の危険度にレーティングされた検索結果は全体の8%となっている。これは、自然な検索結果と比べて、ほぼ3倍に当たる数字だ。McAfee SiteAdvisorは、アドウェア、スパイウェア、ウイルス、ブラウザ攻撃、スパムメール、過度のポップアップ、危険度が赤と評価されたそのほかのサイトとの強力なつながりなどの点から各サイトをチェックし、1つでも問題のあったサイトは危険度を「赤」とレーティングするようになっている。これらのチェックはパスしたものの、ユーザーに注意を喚起する必要があると判断されたサイトの場合、危険度は「黄」とレーティングされる。

 成人向けの検索用語は、非成人向けの検索用語と比べて、危険な検索結果が表示される可能性は2倍高くなっており、成人向けの用語の検索結果のうち8%が「赤」か「黄」にレーティングされているのに対し、非成人向けの用語の場合は約4%となっている。危険サイトとしてレーティングされたリンクのうち41%は、メールアドレスの登録を介してスパムが送信されるパターンとなっており、危険なダウンロードとオンライン詐欺(FirefoxやInternet Explorerなどのフリーのブラウザを有料で販売するなど)がそれぞれ25%ずつとなっている。「赤」か「黄」にレーティングされた検索結果のうち3%には、ブラウザの脆弱性を悪用した攻撃コードが含まれていた。

 McAfee幹部によると、検索エンジンの安全性ランキングも変化しており、Google、AOL、Askの検索結果の安全性が高まった一方で、Yahoo!とMSNの検索結果は危険度が高まっている。

 「検索エンジンは依然として、ユーザーのオンライン体験に重要な役割を果たしている。だが、危険な検索結果をクリックするリスクは確かなのだから、ユーザーはMcAfee SiteAdvisorなどのツールを使って、検索の安全性を高めるべきだ」とディクソン氏は指摘している。

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