ストレージ市場におけるEMCは磐石の態勢を誇るが、このところNetAppとIBMも急成長を見せている。同市場はこの3年間、非常に順調に成長し、特にレプリケーション分野とアーカイビング分野の伸びが著しいという。
市場調査会社のIDCが12月11日に公表した調査結果によると、EMCは全世界のストレージソフトウェア市場で安定リードを維持しており、Symantecが第2位につけている。
しかし3位のIBMと4位のNetAppが急速にシェアを拡大している。NetAppの売り上げは1年前と比べて61%という驚異的な伸びを示し、IBMも前年同期比で39%の成長を記録した。
ストレージソフトウェア市場全体でのIBMのシェアは12.3%で、NetAppのシェアは9.4%となっている。
マサチューセッツ州ホプキントンに本社を置くEMCは、2005年7〜9月期と比べて10.3%増の6億9900万ドルの売り上げを記録し、28.6%の市場シェアを確保した。
しかしカリフォルニア州クパティーノを本拠とするSymantec/Veritas(市場シェアは17.6%)は、前年同期比でわずか1.4%という伸びにとどまった(売上高は4億3300万ドル)。
2005年にVeritasを買収したSymantecの1年前の市場シェアは19.2%だった。
IDCによると、ニューヨーク州アーモンクを本社とするIBMの7〜9月期のストレージソフトウェアの売り上げは3億100万ドルで、カリフォルニア州サニーベールに本社を置くNetAppの売り上げは2億3100万ドルだった。
ITインフラ企業であるEMCの広報担当者によると、同社のソフトウェア収入総額は30億ドルを突破し、CA(旧Computer Associates)を抜いて世界第6位のソフトウェアプロバイダーになった。
CAのこの1年間のソフトウェア収入は29億ドルだった。
全世界のストレージソフトウェア市場は12四半期連続で前年同期の売り上げを上回り、2006年7〜9月期は前年同期比で10.7%増の25億ドルを記録した。
IDCのレポート「Worldwide Quarterly Storage Software Tracker」によると、ストレージレプリケーション技術が再びストレージ分野の成長を促す主要な要因となった。
IDCでストレージソフトウェアを担当するリサーチマネジャー、ローダ・フィリップス氏は、「ストレージソフトウェア市場はこの3年間、非常に順調に成長し、レプリケーション分野とアーカイビング分野が大きな原動力となっている」と述べている。
「企業はデータ保持に対する要求と事業継続性のニーズ、ならびにストレージの統合・移行問題を重視しているため、IDCでは今後もストレージ市場の拡大傾向が続くと予想している」(同氏)
ストレージソフトウェア市場で最大の分野の1つであるストレージレプリケーション市場は、2006年7〜9月期に前年同期比で22.5%の成長を示した。一方、規模は小さいながらも急成長中のアーカイブ/HSM(階層型ストレージ管理)市場は前年同期比で30.8%という伸び率を記録した。
企業名 | 2006年7〜9月期の売上高 | 市場シェア | |
---|---|---|---|
1位 | EMC | 6億9900万ドル | 28.5% |
2位 | Symantec | 4億3300万ドル | 17.6% |
3位 | IBM | 3億100万ドル | 12.3% |
4位 | NetApp | 2億3100万ドル | 9.4% |
5位 | CA | 1億3000万ドル | 5.3% |
6位 | Hewlett-Packard | 1億1900万ドル | 4.9% |
そのほか | 5億4300万ドル | 22.1% | |
合計 | 24億5400万ドル | 100% | |
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