もちろん、仮想化のメリットは、リソースの使用効率を高めるだけにとどまらない。負荷に応じてサーバリソースを追加したり、新たなサーバにアプリケーションを移してシステム全体を最適化するプロビジョニングをポリシーに応じて自動化することも可能となる。
午前のキーノートでは、「WebLogic Liquid Operations Control」と呼ばれる管理ソフトウェアも紹介されている。この管理コンソールからは、必要に応じて処理能力やメモリをJavaアプリケーションに割り当てることができるほか、ポリシーによってプロビジョニング作業を自動化することもできるという。
実際のところ、稼動中のアプリケーションをサーバから別のサーバに移すのはかなり難しい。OSやアプリケーションはもちろん、メモリの内容もそっくりそのまま移さなければならないからだ。
「通常は、数百Gバイトに上るかもしれない。しかし、WebLogicであれば、数Gバイトを移動させれば済む」とカージス氏。現行のバージョン9からWebLogic Serverにはゼロ・ダウンタイム機能が搭載されており、その技術を活用するとみられている。
ハードウェアとソフトウェアを分離する仮想化は、BEAが掲げる「Liquid」ビジョンにとっては欠かせない要素となる。Liquid VMとWebLogic Server Virtual Edition、そしてWebLogic Liquid Operations Controlによって、データセンターにおけるアプリケーションの配備やアップグレードが遥かに柔軟かつ低コストになるからだ。
「Liquid VMをはじめとする仮想化技術は、SOA 360°のキーコンポーネントとなる」(カージス氏)
WebLogic Server Virtual Editionは2007年前半に、WebLogic Liquid Operations Controlは2007年夏にそれぞれリリースされるという。
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