標準的なSOA開発の期間は3〜6カ月――Evans Dataの調査で明らかに

最近の調査では、標準的なSOA開発プロジェクトは3カ月で完了するという。.NETやJavaの普及を背景として、SOAの強みであるフレームワークとサービスの再利用による生産性向上が実用味を帯びてきたようだ。

» 2006年12月21日 15時56分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 Evans Dataが実施した最近の調査によると、SOA(サービス指向アーキテクチャ)の開発に携わっていると答えた開発者の40%以上が、標準的なSOA開発プロジェクトは3カ月で完了することができると答えた。

 カリフォルニア州サンタクルーズに本社を置くEvans Dataによると、この40%という数字は昨年の調査結果と比べると2倍以上だという。今回の調査では、すべてのSOAプロジェクトの60%以上が、わずか6カ月以内に完了していることも明らかになった。これらの結果は、Evans Dataが12月22日にリリースする最新の調査報告「2006 Web Services Development Survey」の一部である。Evans Dataによると、今回の調査結果は、WebサービスとSOA技術の成熟化を示すものだという。

 「現在、SOAの試験運用の段階から、フレームワークとサービスの再利用によって大幅な生産性向上を促進するという本格的な実運用配備の段階へと移行しつつある」とEvans Dataのジョン・アンドリュース社長は発表文の中で述べている。「この普及拡大は、ITおよびビジネスの両部門がSOAプロジェクトを通じて得られるメリットが実証されたことを物語っている」。

 400人の開発者を対象とした今回の調査では、Webサービスの開発に携わっている開発者の半数が、AJAX(Asynchronous JavaScript and XML)を現在利用しているか、あるいは今後12カ月以内に利用する予定であることが分かった。6カ月前の調査の45%という数字と比べてやや増加した。

 また開発者らによると、SOA開発/配備における最大の難問はSOAの投資収益を測定することであり、その次が社内の理解を得ることだとしている。

 3年後にはSOA開発者の3人に2人が、大多数のアプリケーションをマネージドコードで動作させる予定であることも調査で明らかになった。

 生産性の向上など今回の調査で示された結果の背景には、SOA開発者の間でMicrosoftの.NETおよびJavaの普及が進んでいるという状況がある。両陣営はともに拡大中であり、その勢力は拮抗している。またEvans Dataによると、40種類以上のWebサービスを実業務で利用している企業の総数はこの2年間で倍増し、その数は向こう12カ月でさらに2倍になる見通しだという。

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