管理部門スタッフの挑戦――「社風」まで変えたシステム改革アイティセレクト特選事例 東洋鋼鈑株式会社(2/3 ページ)

» 2006年12月26日 09時00分 公開
[アイティセレクト編集部]

追い風となった連結会計

 作業の流れとしては、2002年までの間に、本社給与システムをWindowsで動くプログラムに組み替えが行われ、さらに東洋鋼鈑全社の人事情報システムの構築、運用が進められた。鈴木氏自身がSQLサーバーでのプログラム開発を手がけたという。

 「オープン系での開発は社内での実績もなく、当初はまとまった金額の予算が取れない状況でした。そこで、できるところは自分からやってみようと、勉強しながら開発を進めました。しかし、関連会社も含めたグループ全体のシステム構築となると話は別。手作りでシステムを構築していくと、スキルが属人化してしまうし、修正などの対応も遅れがちになってしまう。そこで、連結会計へのシフトを機にグループ全体にパッケージを導入してシステム化することを決断しました」(鈴木氏)

 こうして04年秋にパッケージ導入へ方針転換し、7社の製品を検討。SSJのSuperStreamの人事給与システム導入を05年春に決定した。SuperStream選択にあたっては、表面的な使いやすさよりも、ベースの部分が自社の要件に適合していてアドオン不要のもの、という点を重視したという。また、データベースの構造が公開されていて、他システムとのデータ連携部分の開発や帳票の追加が自社で行える点も評価。

 東洋鋼鈑は全社システムの構築だけでなく、「給与センター」を作り、関連会社の給与計算業務を一括して処理するシェアードサービスの仕組みを構築する計画があった。従って、さまざまな改良作業がシステム構築後も続くことが予想された。

 「ですから、関連会社への新規導入やパラメータ変更のたびに外注が必要になるようでは困るわけです。SuperStreamはパラメータの設定、変更がユーザーでも可能ですし、会社間でのパラメータのコピーが簡単に行えるところも気に入っています」と鈴木氏は語る。パッケージ導入を機に全社の人事、給与の体系を変更し、統一できる部分はできるだけ統一していった。また、業務プロセスの見直しを進め、新システムにスムーズに乗るように、300種類以上あった帳票を8割廃止した。

 現在、山口県に「給与センター」が設立され順調に稼働しているという。関連各社へのサービスも順次稼働していくとのことだ。

概要図

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