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» 2007年01月09日 11時48分 公開

フラッシュとHDDを組み合わせた「ハイブリッドHDD」を推進する企業連合が旗揚

フラッシュメモリと従来型ディスクドライブを組み合わせたハイブリッド型HDDのノートPC向けの普及を目指したアライアンスが結成された。

[Chris Preimesberger,eWEEK]
eWEEK

 ハイブリッド型HDD(ハードディスクドライブ)技術のメリットをコンピュータメーカーとユーザーにアピールするために、数社の大手ITハードウェア企業が連合を結成した。これは、将来のノートPCを予感させる動きだと言えそうだ。

 新タイプのノートPCがコモディティとして普及すれば、グループ各社の収益拡大につながるわけである。

 1月6日にラスベガスで開催された「Storage Visions」カンファレンスで正式に旗揚げしたHybrid Storage Allianceの創設メンバーに名を連ねているのは、日立、Samsung、Seagate Technology、富士通、東芝の各社。同アライアンスは、Hewlett-PackardやMicrosoftといった大手企業にも参加を呼び掛けている。

 ハイブリッドHDDは、非揮発性半導体フラッシュメモリと従来型ディスクドライブを組み合わせたもの。そのメリットとしては、優れた電力効率、ノートPCのバッテリー持続時間の延長(スピンモーターの電源を切って非揮発性メモリから動作するため)、高速なシステム応答、耐久性の向上(HDDの回転を抑制することで機械的動作が減少し、信頼性が向上するため)などがある。

 市場調査会社のIDCでは、2010年までにハイブリッドHDDは、ノートPCに搭載されるHDD全体の35%を占めるようになると予測している。

デスクトップ並みのノートPCへの需要

 Hybrid Storage Allianceの会長でSeagateのマーケティングマネジャーを務めるジョニ・クラーク氏が米eWEEKに語ったところによると、ハイブリッドHDD技術は、デスクトップPC並みの速度と耐久性を備えたノートPCに対する需要の高まりを受けて登場したという。

 クラーク氏によると、ハイブリッド技術はHDDの大容量と費用効果性をフラッシュメモリの応答性、電力効率、耐久性と組み合わせたものであり、ノートPC以外のモバイルデバイスやコンピューティングシステムにも組み込むことができるという。

 「HDD業界は、われわれの技術が組み込まれるシステム、そしてこれらのシステムを利用するユーザーに、より大きな価値を提供する方法を常に模索している」とクラーク氏は話す。

 「HDDに非揮発性メモリを付加することで、モビリティの面で数々のメリットがもたらされる。これらのメリットは、長いバッテリー持続時間、高速な応答、システムの耐久性の向上など、ユーザーがノートPCに求める価値を高めるものである」(同氏)

 IDCのアナリスト、ジョン・ライドニング氏は、NAND型フラッシュメモリによるキャッシング方式は、特にWindows Vista OSが動作するノートPCのパフォーマンスを改善する重要な技術基盤として脚光を浴びるだろうと話す。

 「ハイブリッドHDDは、2つのストレージ技術の優れた特徴を1つの製品に組み込むことにより、大容量で応答性に優れたストレージをノートPCユーザーに提供する。HDD業界各社がHybrid Storage Allianceを結成したのは、ハイブリッドHDD技術のメリットに対する認識を広めることを狙った賢明な動きだ」とライドニング氏は話す。

 クラーク氏によると、ハイブリッド技術のメリットを最大限に利用する最初のOSはMicrosoftのWindows Vistaだが、LinuxやUNIXシステムでもハイブリッド技術を問題なく利用できるという。

 Microsoftのモバイル&テイラードプラットフォーム部門のコーポレート副社長、ビル・ミッチェル氏は、「ハイブリッドHDDは、Windows VistaのReadyDrive機能を利用することにより新世代のモバイルPCを実現するだろう。スリープ状態から素早く復帰し、バッテリー持続時間が伸びるのに加え、従来のHDDよりもパフォーマンスが高く、信頼性と堅牢性の面でも優れている」と話す。

データの分離/セキュリティにも優れる

 クラーク氏によると、システムの観点から見た場合でも、ハイブリッドHDD技術には、組み込みが容易であることや、データ分離/データセキュリティの改善など、同様の手法と比べて幾つかのアドバンテージがあるという。

 「フラッシュメモリをHDDに直接統合すれば、導入が大幅に簡素化され、ホストシステム上に新たなスペースが必要になることもない。Windows VistaシステムにハイブリッドHDDを組み込むのは、従来型のHDDを組み込むのと同じくらい簡単だ」とクラーク氏は話す。

 さらにクラーク氏によると、HDDにフラッシュメモリが搭載されていれば、すべてのシステム情報を1カ所に保存できるため、セキュリティ/暗号化メカニズムを利用してすべてのデータを一元的に保護することが可能になるという。

 従来型ノートPCと比べ、フラッシュメモリの追加によるハイブリッドHDD搭載ノートPCの価格上昇分は100ドル以下にとどまるだろうと予測するアナリストもいる。

 「まず企業で採用が始まり、やがて低価格が進むのに伴い、コンシューマー市場でも普及するとみている」とクラーク氏は話す。

 クラーク氏によると、最初のハイブリッドHDD搭載ノートPCは2007年半ばに登場する見込みだ。

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