Symantec、最新SIMアプライアンスをリリース

「Symantec Security Information Manager 4.5」は、コンプライアンスシステムと統合でき、従来よりも包括的なソリューションを提供する。

» 2007年01月17日 16時05分 公開
[Matt Hines,eWEEK]
eWEEK

 米Symantecは1月16日、最新のセキュリティ情報管理製品をリリースした。企業がIT防衛のほとんどの要素に関連したデータをより効率的に関連付け、保存するのを支援するアプライアンスだ。

 この新アプライアンス「Symantec Security Information Manager(SIM)4.5」は、企業がより効率的にセキュリティに関するイベントの情報を収集・優先順位付けし、そうしたインシデントへの対応を追跡記録して、コンプライアンス自動化システムに関連データをフィードできるようにする。

 Symantec幹部は、新しいSymantec SIMを調整してコンプライアンス向け技術に統合するためにかなりの時間をかけたとしている。それには顧客がこうした取り組みを次第にセキュリティ戦略全体に統合するようになっている事情がある。

 顧客の要望を受けて、Symantecは個々の製品ではなく、さまざまなマルウェア対策プログラムを統合型アプリケーションにまとめているが、企業は統一された視点からすべてのセキュリティ問題を見られるSIM技術を求めていると同社の担当者は言う。

 そのためにSymantec SIMに追加された重要な機能には、企業が監査・コンプライアンス要件を満たすためのセキュリティ監視、ログ保管のための支援ツールなどがあると、Symantecのコンプライアンスおよびセキュリティ管理上級製品管理ディレクター、サンディープ・クマー氏は語る。

 SIM技術の役割を単なるセキュリティインシデントのカタログ化とコンプライアンスシステムへのツール群統合以外にも拡大することで、Symantecは、企業がITガバナンスとリスク管理にもっと包括的なアプローチを取れるよう支援できると確信しているという。

 「企業はこの数年、コンプライアンスがセキュリティの重要な要素になる中で、多様なデバイスとアプリケーションを扱ってきた。彼らは大量のデータを生み出しているが、すべてを関連付けて1つの視点から見るのは依然として非常に難しい」(クマー氏)

 「多くの場合、企業は社外のコンサルタントに多額の報酬を支払って、すべてのセキュリティ・コンプライアンス情報を集めて理解しようとしているが、この作業のほとんどは、SIMへのもっと戦略的なアプローチでこなせると考えている」

 バージョン4.5では、セキュリティイベントとログをこれまでよりも長期間アーカイブできる新機能やコンプライアンスのサポートに加えて、セキュリティ専門家、規制監査担当者、事業幹部などさまざまな労働者に情報を配布するための自動化された各種の報告書テンプレートが提供される。

 このほか追加されたのは、Symantec SIMでは初めてのWebサービスAPIだ。これはイベント情報をほかのシステムに公開し、同製品をヘルプデスクアプリケーションと統合するのに使える。

 Symantec SIMは複数ドメインのサポートも提供し、企業はデバイスをパーティションに分割して異なる事業部門や営業チーム別にサポートし、さまざまなユーザーグループに簡潔にドメインと役割属性を割り当てられる。

 他社のコンプライアンス自動化アプリケーションに直接統合可能な、より強力で中央管理されたSIMシステムを構築することで、Symantecは、あらゆる種類の脅威や脆弱性に対処するためのコントロールやポリシーを監督する仮想的なセキュリティの頭脳を提供できると確信している。

 「この製品は具体的には、企業が利用している多数のさまざまなツールに取って代わり、これらを強化し、また企業が社内で起きていることをもっと明確に把握できるよう支援することが可能だと考えている」(クマー氏)

 「皆が1社のベンダーからIT製品を購入しているとは限らない。だからAPIのように、企業がこの問題に標準ベースのアプローチで対処できるものを用意することが重要だ。われわれは、企業が既存のデータサイロ全体を取り扱う手助けができると信じている」

 ゲートウェイセキュリティと同様に、顧客はITシステムパフォーマンスの保護と搭載アプリケーションの管理の簡略化を理由に、次第に新しいSymantec SIMなどのハードベースのシステムを好むようになっているとSymantecは主張する。

 同社は、セキュリティとコンプライアンス管理を統合したシステムに対する需要があらゆる規模の企業で拡大していることから、約5万ドルからのSymantec SIMデバイスは、大手企業だけでなく、中小企業にも訴求するとしている。

 業界観測筋は、SIM 4.5はSymantecの既存技術を、特にユーザーにこれまでのセキュリティ問題のより詳細な情報を提供し、関連する問題の解決方法をアドバイスするという点で大幅に改善するとしている。

 Symantecは今も、SIM分野――ArcSightやNetwork Intelligenceなどの新興企業が首位に立ってきた――の勝者とは見なされていないが、今回の新製品はSymantecをこの分野においてこれまで以上に有力なプレイヤーにすると、Forrester Researchのアナリスト、ポール・スタンプ氏は言う。

 「このリリースは、主に履歴分析に関して同社製品のこれまでの欠点を補っており、セキュリティとコンプライアンスの両面において、人々のしていることが正しいか間違っているかがより明確に理解できるようになっているようだ」(同氏)

 「Symantecがこの分野のリーダーになるためにやるべきことはたくさんある。この市場は競争が激しいが、人々は常に統合されたツールを求めており、それは今後も同社の最大の強みであり続ける」

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