マイクロソフトは2007年2月から、パッケージソフトベンダーを中心としたパートナー向けに、Windows Server “Longhorn”のタッチダウンプログラムを開始する。Longhornに関する技術情報は、ベータ2が公開されてもなお限定的だったが、それをパートナー向けに積極的に開示し、2007年末頃に予定されている製品出荷に合わせたLonghorn対応パッケージソフトの登場を促進しようというものだ。その施策について、デベロッパー&プラットフォーム統括本部パートナーテクノロジー推進本部 本部長 日詰廣造氏、テクノロジーマーケティング部シニアプログラムマネージャ 加藤確氏に話を伺った。
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ITmedia Windows Vistaの出荷が始まり、エンタープライズ市場では次期サーバOSであるLonghornへの注目が日々高まっています。マイクロソフトでも、いよいよパートナー向けにLonghornの早期対応プログラムを開始するそうですが、パートナーテクノロジー推進本部は、どのようなミッションを持つ部署なのですか?
日詰氏 デベロッパー&プラットフォーム統括本部は、ビル・ゲイツの“肝煎り”で作られた部署で、開発者に対してマイクロソフトのテクノロジーを推進する役目を担っています。2000年前後に「.NET」というキーワードが出たころに、ソフトウェア技術者に対していろいろアプローチしようという主旨で設立されました。そのうちパートナーテクノロジー推進本部では、ソフトウェア開発者を多く抱えるパートナー企業――ISVやSIer、Varに対してのさまざまな技術的な支援を行っています。特に、プラットフォーム製品や開発ツールなど、パートナー企業がビジネスを展開する上で必要なテクノロジーの啓発活動を中心に扱っています。
ITmedia そうしたパートナー向けテクノロジーの啓発活動の一環として、どのような施策を行っているのでしょう?
日詰氏 大きく分けて、RTM版が完成するまでと、製品として出荷した後の施策があります。前者が「タッチダウンプログラム」と呼ぶプラットフォーム製品の早期対応プログラムで、Alpha版、Beta1、Beta2、RCなど、いくつかのタイミングでパートナー向けに技術支援を行っています。後者は、「アプリケーションプラットフォームプログラム」という製品対応支援プログラムで、製品出荷後のサポートプログラムです。パートナー企業が動作検証やトレーニングを行えるように、調布の開発拠点に各メーカーのハードウェアを設置したラボを用意しています。
さらにもう1つ、「Webテクノロジープログラム」という次世代Web技術の支援プログラムも行っています。これは、マイクロソフト製品をWebのマーケットにおいてもプラットフォームとして使っていただくためのもので、2007年2月5日から日本全国ツアーを開始し、正式なプログラムとして始めます。
ITmedia タッチダウンプログラムやアプリケーションプラットフォームプログラムは、製品ごとに用意されているわけですね?
日詰氏 そうです。今でしたら、Windows VistaやOffice 2007のプログラムがあります。参加するパートナー数は、プログラムによって異なりますが、50社から150社程度です。各プログラムとも、全世界規模で行われる施策であり、それぞれの製品に参加パートナー数の枠が設けられています。プログラムに参加するパートナー企業はマイクロソフトが選ぶのではなく、プログラムに賛同していただけるパートナー企業を募集します。プログラムは無償で提供されるものですが、ソフトウェア開発にかかわることであり、パートナー企業にも技術者を出したり、時間を割いたりなど、ある程度の投資も求められます。
ITmedia 各プログラムは、製品が登場するどれくらい前からプログラムが始まるのですか?
加藤氏 タッチダウンプログラムは通常、Beta2段階から始めますが、Longhornに関しては、Windows Vista、Office 2007の施策と重なったこともあり、Beta3が登場する直前の今になります。ただし、マイクロソフトではAlpha版やBeta1からスタートする、もっと狭い範囲のパートナー企業に対して実施するプログラムもありますし、RCやRTMを目指して広範囲に展開するプログラムもあります。
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