すべてはデータのために――ストレージネットワークをインテリジェント化するブロケード【連載第1回】

ファイバチャネルを主体にSANの世界をけん引してきたブロケード。1月29日にはマクデータの買収完了を発表し、データ管理インフラのソリューションカンパニーとして、ますますその地位を強固なものにしている。データ管理のプロを自認するブロケードが提案する次世代データセンターとは?またブロケードの最新戦略とは?

» 2007年02月05日 10時00分 公開
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 1995年、シリコンバレーのサンノゼに設立されたブロケード コミュニケーションズ システムズは、ファイバチャネルプロトコルを用いてサーバとストレージ間の高速なデータ転送を可能にするストレージエリアネットワーク(SAN)の世界をけん引してきた。かつてはサーバとストレージが1対1の関係で接続されるDAS(Direct Attached Storage)が主流だったが、SANによるネットワーク化により、データセンターはストレージリソースを共有・統合できる柔軟性を手に入れられるようになった。

小今井裕氏 ブロケード システムエンジニアリング統括部長の小今井裕氏

 10年以上にわたりSANをけん引し、強いコミットを示し続けているブロケードだが、同社は近年、次世代データセンターの実現を目指し「データセンター・ファブリック」と呼ぶ、より広範なソリューション展開を可能にしようとしている。

 同社システムエンジニアリング統括部長の小今井裕氏は「10年以上、SANで培ってきたブロケードの役割を拡張させたい。共有ストレージネットワーク上に横断的な付加価値を与えるソリューションを提供していく」と話す。これまでのSANという領域にとらわれることなく、データを中心に考えることで、データ容量の増大への柔軟な対応だけでなく、長期保管やコンプライアンスなどといったビジネスに起因する新たなニーズにも対応していく予定だ。

 「15年前であれば企業の情報の90%は紙の上にアナログで存在していた。これが現在では92%がデジタルデータという状況に変わってきている。企業はこれを集中的に管理することができないでいる。すべてのデータをネットワークで共有されたストレージに格納し、データ管理のインテリジェンスを持たせれば、IT管理者にとってより効率の良い環境が提供できる。同時にガバナンスにより要求されるデータの高い透過性といったビジネスニーズにも対応できる」(小今井氏)と考えるからだ。

インテリジェンスを備えた「データセンター・ファブリック」

 同社が新たに目指すデータセンター・ファブリックの概念は、SANとFAN(File Area Network)の大きく2つの柱で構成される。SANで接続されたデータセンター内のネットワークと、ファイルを中心にしたクライアントアクセスと考えると簡単だ。

データセンター・ファブリック ブロケードが実現するデータセンター・ファブリック

 SANは1990年代後半から構築が進んできたが、特に日本では、各部署や部門がITの導入決裁権を持つことが多く、SANがそれぞれのアプリケーションごとに構築され、企業内に島のように点在するSANアイランドが数多く出来上がってしまっている。ストレージのネットワーク化は行われているものの、これではバックアップなどの管理を集中化することは難しい。SANによるネットワークストレージのメリットを十分に引き出せない結果になっていた。

 この問題に対し企業は、大型のSANコアスイッチを利用してSANアイランドを統合したり、SANルータにより論理的に統合し、管理の効率化を追及し始めた。ブロケードではこの流れを後押しするだけでなく、ブレードサーバやサーバの仮想化技術などと歩調を合わせ、データ移行やアプリケーションワークロードの動的な移行といった機能をネットワーク上で提供し、単にリソースの効率的活用を目指したネットワーク化だけでなく、データを取り巻くシステムリソース管理における課題も解決するという。

 第2の柱となるFANは、ブロケードが新たに取り組むファイルサービスの領域だ。広域ファイルサービスの「Brocade WAFS」やグローバルネームスペースの「Brocade Storage X」といった新たなソリューションを投入しており、これらを通じてファイルサービスもデータセンター内に集約・統合することを支援する。SANと変わらない統一した管理体系でデータを管理できれば、管理者の負荷軽減も期待できる。

 小今井氏は「データセンターではファイバチャネル、iSCSI、Infinibandなど複数プロトコルが利用されているのが現状だが、ブロケードではプロトコルに依存しない透過的な管理を可能にしている。またブロケードはベンダーニュートラルな特長も持っている」と話す。また、データセンター内での使用に適する安定かつ高帯域、低遅延のデータセンター・イーサネットと呼ぶ技術や8Gbファイバチャネルへといった新技術も視野に入れながら、ファブリック自体の価値も継続して高めていこうとしている。

第3の柱、プロフェッショナルサービス

 SANやFANといった製品ラインだけでなく、同時に強化しているのがプロフェッショナルサービスだ。

 SANスイッチの導入設計やインプリメンテーション、SANのパフォーマンスといったストレージ環境性能を最適化するオペレーションサービスを提供する。また、SANのライフサイクルを考慮したコンサルティングサービスや、さらにはストレージの入れ替え時に同社のエンジニアがツールを用いてデータ移行を行うマイグレーションサービスなどをラインナップ。SANだけでなく、FANの領域でもサービスを拡充する予定だ。

 小今井氏は「サーバは、IT管理者によって十分管理されている。しかし、サーバとストレージのデータパスに位置するSANは、その重要性が増してきているにもかかわらず、“SANを管理する”という意識をもつ企業はまだ少ない。知識やノウハウがあまり蓄積されていないのも現状で、これをブロケードのエンジニアが補いながら、管理者の知識レベル向上に役立ちたい」と話す。SAN、FANに続く第3の柱としてプロフェッショナルサービスを通じた顧客支援にも力を入れていくという。

【連載第2回】FANがもたらすファイルサービスの新たな潮流

【連載第3回】SANに君臨するマクデータ統合後の新生ブロケード

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提供:ブロケード コミュニケーションズ システムズ株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2007年3月12日