グローバル時代の企業と人材像とは(1/2 ページ)

レノボ・ジャパン開催のセミナーでは、グローバル化で求められる人材像や企業像についてのパネルディスカッションが行われた。

» 2007年02月07日 08時30分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 レノボ・ジャパンのプライベートセミナー「イノベーション・フォーラム 2007」で、「次世代グローバル企業に求められる人材像と企業像」と題したパネルディスカッションが行われた。

 パネリストに東京大学 大学総合教育研究センターの中原淳助教授、マイクロソフトの大井川和彦執行役、米Lenovoのウィリアム・アメリオCEOが登壇した。また、モデレーターを日本経済新聞社の関口和一編集委員兼論説委員が務めた。

 東京大学とマイクロソフト、レノボ・ジャパンは、東大の全学的な教育情報化プロジェクト「TREE」を推進している。プロジェクトでは、タブレットPCを活用した学習システムを開発し、学習効果の検証や教育現場への導入課題などの検討を行う。パネルディスカッションでは、TREEを中心にグローバル時代に求められる人材像や企業像と教育の関わりについて、意見が交わされた。

300年間も変わらぬ環境

 まず、中原氏は教育現場の環境について「大学の教室では1人の教授が多数の学生に講義するスタイルが、18世紀の産業革命から現代まで300年間続いている。グローバル化で求められる人材像は変わるが、教育の現場は何も変わっていない」と、TREEプロジェクト導入の理由を説明した。

中原氏 中原氏

 TREEプロジェクトでは、ITを活用してグローバル時代に求められる人材教育の在り方を追求する。中原氏は、グローバルな人材を「代替ができない、または代替されても新しい課題を自己で発見し、取り組める人材」だと定義する。プロジェクトは、このような人材を創造するための「課題発見型教育」をテーマに掲げている。

TREEプロジェクトテーマ TREEプロジェクトで取り組む人材育成

 教育とITの関わりについて中原氏は、1)教員のITリテラシーが不足、2)実際に使用する教材ソフトの大半がオフショアで開発されている、3)GDPに対する教育への投資額が諸外国よりも低い、4)使いやすいIT機器が少ない――といった現実があるという。

 また、「企業はグローバルな競争力を維持しなければならないのだが、新卒社員には白紙の状態(素直で自社の風土に染まりやすい)であることを望む傾向が非常に強い。人材を育成するために、さらに積極的な教育への投資を行うべきだ」(中原氏)と述べた。

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