SANの世界でさらに飛躍するマクデータ統合後の新生ブロケード【連載第3回】

1月29日、マクデータの買収を完了したブロケードは、SAN市場で存在感をさらに高めることになる。オープンシステムを得意とするブロケードと、メインフレームを中心にした製品に強みを持つマクデータの統合は、顧客のデータセンターをより強力に支援できるようになるだろう。

» 2007年02月19日 10時00分 公開
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 1月29日、マクデータの買収を完了したブロケード コミュニケーションズ システムズは、同社の描く「データセンター・ファブリック」戦略をより確かなものにしようとしている。SAN製品のラインアップも整理し、ブロケードはSANの世界でさらに存在感を高めることになりそうだ。(関連記事)

 2006年8月、米Brocadeは同じくSAN市場で活躍する米McDATA買収の意向を発表した(関連記事)。オープンシステムを得意とするブロケードと、メインフレームを中心にした製品群に強みを持つマクデータの統合は、さらに強力な製品ポートフォリオを可能にする。顧客にとってもSANの相互接続性が増すという期待を持てる。

 統合後のブロケードのSAN市場でのシェアは、ポートベースで77.2%、顧客ベースでは82.9%という巨大なシェアを持つようになる。SAN市場で圧倒的となったブロケードだが、同社システムエンジニアリング統括部長の小今井裕氏は「データアクセスを統合し、その共有基板上でCPUのプール化と、OS、アプリケーションとデータの格納されたストレージのプール化を行い、アプリケーションのワークロードやデータの移行がハードウェアを越えて実現できれば、柔軟にストレージやデータセンターの統合が行えるばかりでなく、システムの可用性ならびにビジネスの継続性を高める事ができるようになる」と話す。

SANへのコミットは変わらない「データセンター・ファブリック」戦略

 小今井裕氏 ブロケード システムエンジニアリング統括部長の小今井裕氏

 近年、ブロケードは「データセンター・ファブリック」という次世代のデータセンター像を描いている。これまでのSANという領域に固執することなく、データを中心に考えることで、データ容量の増大への柔軟な対応といった問題に加え、長期保管やコンプライアンスなどといったビジネスニーズにも対応していけるインフラ作りを支援する。(関連記事)

 「それにはまずネットワークでリソースの共有率を高め、集中管理により管理コストを低減する必要がある。その共有基盤上で、アプリケーションのワークロードやデータの移行が行えれば、柔軟にストレージやデータセンターのコンソリデーションが行えるようになる」と小今井氏。

 データセンター・ファブリックの構想には、FAN(File Area Network)と呼ばれるファイルサービスも含まれ、同社はこのエリアで新たなチャレンジをしていくことになる(関連記事)。だが、データセンター内のブロックデータアクセスの基盤がSANであることには変わりない。マクデータの買収は、ブロケードのSANに対するコミットメントに変化がないことの現れと言えるだろう。

新たになったSAN製品ファミリー

 ブロケードが統合後に打ち出した新たな製品ファミリーには、エントリーレベルからミッドレンジのSANスイッチにブロケードの「Brocade 200E」「Brocade 4100」「Brocade 4900」をラインアップ。上位のSANダイレクタには、ブロケードの「Brocade 48000」に併せ、旧マクデータの「Brocade Mi10K」および「Brocade M6140」をラインした。また、ブレードへの組み込みシステムやエクステンションといった製品も従来どおり提供される。ブロケードと旧マクデータの長所を生かした製品ラインアップといえそうだ。

 日本では余り知られていない点だが、例えば、SANダイレクタでは、機能面だけでなく、部品点数を減らすことで、消費電力やCO2の排出量といった点も配慮して設計されている。消費電力量が課題となっているデータセンターインフラとして競争力の高い製品となっており、この点は今後国内においてもますます注目されていくことになるだろう。

 下図を見ると、新たなブロケードの製品がSANのエリアで広範な接続性を提供できることが分かるだろう。小今井氏によると、この製品ラインは、競合優位性、継続的な提供、サポートといった点を考慮して決定されているという。

新生ブロケードの製品ポートフォリオ 旧マクデータの強みを取り入れ、さらに広範になった新生ブロケードの製品ポートフォリオ

SANにインターオペラビリティーを

 2007年度を掛けてブロケードは、両社の製品の相互接続性の確保に重点を置いていくことになるという。これまでも両社の製品は「インターオペラビリティーモード」によって相互接続することはできたが、このモードではどちらかの機能が制限されてしまうなど、完全な相互接続を確保することはできなかった。この点をまずは解消していくことになる。

 「ネイティブE_Port(スイッチ間接続に使用されるポートタイプ)により相互接続性を確保するのがゴールだ。2月15日にはその第一弾として、両社どちらのSANファブリックにも導入できるSANスイッチ『Brocade 5000』を発表し、ブロケードの相互接続性に対するコミットメントをより強固なものにしている。2008年を目処にプラットフォームも統合し、完全な相互接続性を実現したい」(小今井氏)。

 もちろん旧マクデータの製品もこれまでと変わらずサポート保証を継続していく予定でもある。「既存の製品を継続しながら、両社の製品の価値を最大限にしたい。マクデータと統合したことで、技術力ならびにソリューションの幅はさらに広がった。新技術への投資を加速し、市場のニーズに対する最適なタイミングでのソリューション投入を引き続き可能にしていきたい」と小今井氏は語る。

 新生ブロケードが生み出すSANの付加価値に今後も注目していきたいところだ。

【連載第1回】すべてはデータのために――ストレージネットワークをインテリジェント化するブロケード

【連載第2回】FANがもたらすファイルサービスの新たな潮流

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提供:ブロケード コミュニケーションズ システムズ株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2007年3月19日