今どきのPerlプログラミングを体感する、そんなときに欠かせないのはCPANの存在です。CPANは「Comprehensive Perl Archive Network」の略で、一言でいうと「Perlモジュール集積所」です(図1)。
CPANには世界中のPerlプログラマー(Perlハッカーたち)の日々のHackの成果物が収められています。そこには、Perlハッカーなら誰でもモジュールを登録できますし、誰でもダウンロードして使えます。モジュールの検索*や、ドキュメントの閲覧サービスも整備されています。モジュールのインストールも、後に説明するCPANシェルによって非常に簡単かつ効率的に行えます。
CPANに登録されているモジュール(ライブラリ)にはどんなものがあるのでしょう? 実は何でもありますが、例えば表1のようなものも、CPANからインストールして使えます*。
このように、特定の目的に特化したものからアプリケーションの基礎となるフレームワークまで、ありとあらゆるライブラリがCPANに登録されています。Perlで何かしたいときに、CPANを探せばだいたいのものが見つかります。日付処理などのよくあるけど面倒な処理をいちいち書かなくても良くなったり、それこそXML Webサービスを簡単に扱うようにしたライブラリなど多種多様なものがあり、一度使い出すとやめられません。
C#やJava、Ruby、PHPなど、ほかの言語でもクラスライブラリやモジュールを使ってプログラミングをするのが当たり前の昨今ですが、ことPerlにおいてはそれらライブラリを充実させようというコミュニティーの動きが非常に活発で、CPANはほかの言語の開発者からも一目置かれる存在になっています。
本連載ではこれから、さまざまなCPANモジュールを使っていきますので、ここでCPANモジュールのインストール方法を紹介しておきます。
CPANモジュールのインストールには、シェルのコマンドラインから利用できるCPANシェルを使うのが便利です。CPANシェルはroot権限で次のコマンドを実行して起動します。
# perl -MCPAN -e shell
すると、
cpan shell -- CPAN exploration and modules
installation (v1.7601)
ReadLine support enabled
cpan>
といったプロンプトが表示されます。このプロンプトで対話的にモジュールのインストールが進められるようになっています。例えばXML::RSSをインストールするには、
cpan> install XML::RSS
を実行します。すると、CPANシェルがCPANのミラーサイトからソースをダウンロードして展開、必要ならコンパイル、テスト、ライブラリディレクトリにインストールといった一連の作業をまとめて実行します。
インストール以外にも、表2のように便利なコマンドがあります。より詳しい使い方はヘルプを参照してください。
CPANモジュールのインストールも終わりましたので、次回は手始めに、PerlにおけるWebプログラミングの要ともいえるLWP(Lib WWW Perl)を用いた、HTTPコンテンツをPerlでHackする手法を解説していきます。
search.cpan.orgから検索することが可能。
うち幾つかは、Perlの標準モジュールとしてPerlの配布パッケージに含まれている。
本記事は、オープンソースマガジン2005年7月号「作って学ぶ、今どきのWebサービス 第1回」を再構成したものです。
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