「オープンストレージ市場の勝ち馬はわれわれとEMCだけ」――米ネットアップCEO

2月26日、ネットワーク・アプライアンスのCEOが来日し、日本法人新社長のお披露目と併せて今後のビジョンなどについて語った。

» 2007年02月26日 17時05分 公開
[堀見誠司,ITmedia]

 日本ネットワーク・アプライアンス(ネットアップ)は2月26日、記者発表会を開催し、来日した米Network Applianceのダン・ウォーメンホーヴェンCEOや、1月10日に代表取締役社長に就任した大家万明(おおやかずあき)氏が今後の事業展開などについて説明した。

画像 「スナップショット実行時の性能比較ではEMCとの差が明らかだ」とウォーメンホーヴェンCEO

 ウォーメンホーヴェンCEOは同社のマーケットシェアについて言及し、主力のNAS(Network Attached Storage)製品を軸にiSCSI、SAN(Storage Area Network)を合わせたネットワークストレージ市場におけるシェアが8%と、EMC、HP、IBMに次ぐ業界第4位の地位にあると語った。「15年前にストレージ市場をけん引したIBM、Sun Microsystems、HPといったサーバベンダーがシェアを落とす中、ストレージベンダーが躍進している。その理由は、市場が垂直的なサーバストレージから水平的なユーティリティとしてのストレージを志向するようになっているから」。

 またウォーメンホーヴェンCEOは、オープンシステムストレージ市場においては「2つの馬(EMCとネットアップ)が競走しているだけ」と、実質ネットアップとEMCの「2強」時代に突入しているとした。さらに、出荷バイト数(ボリューム)ベースではEMCを抜いており、「われわれのストレージのバイト当たりの単価はEMCの3分の1。つまり、同じ容量ならEMCにネットアップ製品の3倍の金額を払うことになる」と話した。

 現在ネットワークストレージ市場の3分の2近くを占めるというSAN市場については、今後もFC-SAN分野が成長するとの見通しを示し、データ保護(LockVault)や暗号化(Decru)、サーチインデクシング(国内未発表)といった管理機能をポリシーベースで行える次世代のストレージインフラの中の一環境としてサポートしていくという。

画像 日立製作所で26年間通信システムに携わってきた大家氏は「拡大するデータ規模との戦いの中でシンプルな管理基盤を目指す」と話す

 大家万明新社長は、国内の事業戦略の柱として「今後10年の情報活用のための管理基盤構築」を掲げ、販売チャンネルの活性化、年20〜30%の人員増強によるプロフェッショナルサービス組織の強化、認知度向上など顧客満足第一の経営へシフトしていくとした。事業目標については、「2009年度で30%の売り上げ成長を目標に、2010年度までにはビジネス規模を現在の2倍にする」(大家社長)。

 大家氏は、「これからのストレージでは、SAN、NASの区別は問題ではなく、メールなどの『生データ』をいかに検索、再利用していくかが大切になる。ネットアップのSANソリューションについて言えば、新しい基幹系システムで使われるIP-SANが伸びるだろう」との見解を示した。

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