ベンチャーキャピタル(VC)のモバイル・インターネットキャピタルは、業務効率化と生産性の向上を目的にモバイル環境を導入した。投資先企業や提携企業への訪問や移動など、一日の業務の大半を社外で行うため、モバイルを活用したワークスタイルの確立が欠かせない。
しかし業務で取り扱うデータは、投資先企業の財務情報や事業計画、技術資料など、極めてセキュリティレベルの高いものばかりとなる。投資案件の推進とIT業務も担当する山田敦子インベストメントオフィサーは、「モバイル環境をどのように活用するかが課題でした」と話す。
そこで、同社では検疫システムを核として、外部からセキュアにアクセスできるモバイル環境を構築した。また業務で必要となる情報をいつでも入手できるよう、来訪者が一時的に社内の無線LANを利用できるようにしたという。
この結果、外出先でも迅速なメールの返信や電話会議が可能となり、業務が効率化された。「個人的にもモバイル環境の導入で業務への集中力がさらに高まり、仕事の質が高まったと感じています」と山田氏は話す。
さらに女性の立場から感じるモバイル導入について、山田氏は知人のエピソードを紹介した。あるシステム会社では個人情報保護を徹底するため、自宅にPCを持ち込んでの作業を禁止した。このため、会社での残業が増え、家族と過ごす時間や家事の時間が大幅に削らなければならなくなった。
だが、モバイル環境の導入で再び自宅での仕事ができるようになり、夫や子供との団らんの時間を手にすることができたという。「モバイル環境は女性にとっても大変に働きやすい状況を作り出すことができます。社会生産性の高い北欧ではモバイル環境が女性の社会進出の原動力になっています」(山田氏)と、モバイル環境導入のメリットを来場者に呼びかけた。
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