その点について宮崎氏は、エンタープライズ環境における「8つの情報共有の落とし穴」を挙げて指摘する(図1)。
1. どこに何があるのか探し出せない
2. 拠点や部門を超えた共有が確立していない
3. アプリケーションを立ち上げなければ中身が見えない
4. 添付文書ファイルのダウンロードに時間がかかる
5. データベースの巨大化、アクセスの集中などでシステムの動作が遅い
以上の5つは、せっかくシステムを導入しても使われないままになる要因だ。
6. 情報の登録が面倒なため社員からナレッジを引き出せない
7. システムの運用管理が煩雑
8. HTML変換への負担が一部社員に集中
この後半の3つに関しては、使えば使うほど管理側に手間とコストが掛かるというジレンマが発生するもの。
これらの課題に対して、宮崎氏はナレッジ共有を実現させるための“鉄則”を示した。
(1)簡単にナレッジが公開できること
(2)的確にナレッジが検索できること
(3)スピーディーにナレッジが表示できること
(4)運用管理に手間とコストが掛からないこと
これら4点について、宮崎氏は「システム面と業務プロセス面での対策のため、ある程度はツールで解決できる。だが、もちろん即、効果が表れるというものではない」と、くぎを刺す。そこで、次のような制度や組織を整える仕組みも必要となるという。
(5)必要最低限での運用ルールを制度面で整備する
(6)ナレッジマネジャーを設置する組織体制
(7)できるところから始め、短期的に効果を出していくプロジェクトマネジメント
(8)情報共有とともに情報漏えいの防止を両立させるセキュリティ対策
これらのことから、文書共有や企業内情報検索にしても、ユーザーの負担を軽減して直感的に使えるインフラの整備が不可欠だという。そのために、「Net-It Central」と「Ultraseek」とを連携させた。この連携により、ユーザーはインターネットを経由してUltraseekを利用し、Net-It Centralから社内の営業提案書や規定集、マニュアルなど大量の文書のページをピンポイントで絞る検索が可能になるという(図2)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.