Zend Guardではライセンスを付与し、アプリケーションの稼働条件としてライセンスファイルを結びつけることも可能です。ライセンス管理されたアプリケーションには、次のような制約を付与できます(図5、6)。
Zend Technologiesでは、PHP開発を効率化するソフトウェアを商用製品として発売しています。本文で紹介したZend Guardもそのうちの1つですが、2007年3月現在、Zend Platform 2.2.2、Zend Studio 5.5といった製品がリリースされ、日本ではオープンソース・ジャパンが販売代理店となっています。ここでは、Zend Platform/Zend Studioの特徴を見てみましょう。
Zend Platformは、高度な運用管理機能を提供する製品です。ここでは主な機能を紹介します。
PHPは、標準でセッション管理機能を備えています。これは、アクセスしてきたクライアントをサーバ側で一意に識別し、継続したサービスを提供するための機能です。ただし、セッション情報は1つのWebアプリケーションサービス内部でしか利用できず、Webアプリケーションサーバをクラスター化して運用している場合などには、セッション情報を共有できませんでした。
この問題を解決するのが、セッションクラスターリング機能です。この機能は、複数のWebアプリケーションサービス間でセッションの情報を共有できるようにするものです。
PHP Intelligenceは、PHPスクリプトの実行状態を細かに管理する
商用製品で加速するPHP開発機能です。例えば、あるPHPスクリプトがどの程度の処理速度で実行できているのかや、関数エラー/DBクエリエラーなどが発生していないかどうかを検出できます。また、問題が発生したときの環境を保存できるため、後で原因の追究に利用できます。
PHP Performance Managementは、PHPスクリプトやコンテンツをキャッシュするなどして、PHPアプリケーションのパフォーマンスを向上させるための機能です。
PHP/Java Integration Bridgeは、PHPスクリプトの中からシームレスにJavaVMへアクセスする機能です。
Zend Studioは、PHP開発に利用できるIDE(統合開発環境)です。IDEの基本機能といえるシンタックスハイライティングや変数名/メソッド名の補完機能を備えるほか、次のような機能を備えています。
本記事は、オープンソースマガジン2006年11月号「Zend Framework」で加速するPHP開発を再構成したものです。
日本アイ・ビー・エム システムズエンジニアリング株式会社
杉田直哉
日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリング株式会社(ISE)は、日本アイ・ビー・エムグループにおけるSE技術者の専門家集団として1992年7月に設立された。
発足以来、IBM製品を中心とした難易度の高い複雑なシステム構築や先進技術の適用場面において、卓越したITスキルによりお客様と開発現場を支援してきた。
近年は、仮想化技術・グリッドコンピューティング・Web 2.0・オープンソースソフトウェア等々の先進技術分野での支援も展開している。
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