Office Onlineで各種サービスを提供開始

Office Onlineサイトでは、製品情報やオンラインヘルプに加え、Outlook 2007カレンダーの共有サービスなど、オンラインホストサービスが幾つか提供されるようになっている。

» 2007年03月13日 08時00分 公開
[Matt Rosoff,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 米MicrosoftのOffice製品ファミリー向けのWebサイト、Office Onlineでは、Officeユーザー向けに各種のオンラインホストサービスが提供されるようになっている。既に十分に入り組んでいた同社のオンライン戦略にとって、この動きは、さらなる混乱の種となっている。現在、Office Onlineサイトでは、例えば、一般のWebページにOutlookのカレンダーをポストするといったサービスが提供されている。

Windows LiveやOffice Liveとの違いは?

 Office 2007製品ファミリーのリリースに向けて、Office Onlineサイトは2006年遅くに大幅なオーバーホールが行われた。その結果、従来から提供されていた製品情報、オンラインヘルプ、テンプレートに加え、現在、同サイトでは、Webベースのサービスも幾つか提供されている。こうしたサービスを介して情報をポストするためには、ユーザーはそのサービスに関連したOffice 2007アプリケーションを持っているほか、My Office Onlineへのサインアップが必要となる。My Office Onlineにサインアップするには、Windows Live ID(これまではPassportと呼ばれていた)として登録済みの電子メールアドレスのほか、基本的な個人情報が幾つか必要だ。

 登録を済ませたユーザーは、以下のサービスを利用できる。

Outlookカレンダーの共有サービス Outlook 2007のユーザーは、インターネット標準のiCalendarフォーマットで保存された自分のカレンダーを、Office OnlineでホスティングされているWebサイトにポストできる。ポストした情報は、Webブラウザとインターネット接続環境を備えたユーザーであれば誰でもアクセスできるように設定できる。カレンダーの所有者が情報へのアクセスを制限している場合、閲覧にはWindows Live IDも必要となる。自分のカレンダーをほかのユーザーと共有したい場合、そのカレンダーのURLを含むメールメッセージをOutlookが自動作成するため、カレンダー所有者は案内メールとして、そのメッセージをほかのユーザーに送信できる。カレンダーの所有者は、カレンダーへのアクセスをこのメールの受信者のみに制限できる。ただし、その場合、受信者は自分のアドレスとWindows Live IDを関連付けておく必要がある。

Outlook 2007モバイルサービス このサービスでは、メールから、タスク、スケジュールリマインダー、連絡先、カレンダーエントリーまで、Outlook 2007の各種のデータを、Simple Messaging Service(SMS)テキストメッセージを受信可能なあらゆる携帯電話機に送信できる。

共有テンプレート ユーザーは自作のOffice 2007テンプレートをポストし、My Office Onlineのほかのメンバーがダウンロードできるようにすることも可能だ。

 Microsoftによると、このほかのOffice Onlineサービスも2007年中に追って追加される見通し。

 こうしたオンラインサービスが追加されたことで、Office OnlineサイトはWindows Liveサイトとの重複が目立つようになっている。例えば、Hotmailでは既に、Webベースのカレンダー共有、およびメールへのモバイルアクセスが提供されている。また、Office Onlineの各種サービスは、小規模事業所向けの包括的なサービスセットであるOffice Liveとも区別しづらい。

 だが、Microsoftによると、Office Onlineの狙いは「Officeアプリケーションに緊密に連携されたオンラインサービスにより、Officeアプリケーションを拡張すること」にあるという。一方、Windows Liveサービスはクロスプラットフォーム性を目指しており、ブラウザ以外のクライアントソフトウェアを必要としない(ただし、多くのWindows LiveサービスはWindowsとInternet Explorerを必要としており、この目標が公平に実現されているとは言い難い)。また、Office Liveは小規模事業者向けのサービスであり、Officeアプリケーションとの関連性は特にないという。こうした区別はMicrosoftにとっては明白なのかもしれないが、エンドユーザーや潜在パートナーには説明が難しいだろう。

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