業務プロセスの変革をSOAで成し遂げる――日本IBM

日本IBMが同社のノウハウを標準化したASP形式の業務アウトソーシングサービスを開始する。

» 2007年03月13日 18時57分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 日本IBMは3月13日、企業変革をテーマとする業務受託サービス「BTO(Business Transformation Outsourcing)」の2007年事業戦略説明を行った。標準プロセスを利用して業務改善を支援する新サービス「BPS」を開始する。

BPSサービスの特長 BPSサービスの特長

 BPS(Business Processing Services)は、同社の業務ノウハウを標準プロセスとして提供するASP形式の業務処理サービス。メニューは、購買の「Procurement@BPS」と人材育成の「Learning@BPS」、債権回収の「I2C」、文書管理の「Document@BPS」、人事の「Human@BPS」からなる。

 提供開始時期は、ProcurementとLearning、Documentが2007年第2四半期(4〜6月)から、I2CとHumanは第3四半期(7〜9月)を予定している。

遠藤隆雄常務執行役員 遠藤隆雄常務執行役員

 BTO事業を担当する遠藤隆雄常務執行役員は、「個々の業務に特化したアウトソーシングサービスは数多く提供されているが、BPSはSOAとして提供されため、短時間と最小限の手間で企業の変革を実現できる」と説明する。

 BPSは、個々の企業環境に応じて業務プロセスを最適化するBTOに比べて導入期間が短く、自社の業務フロー改善や業務コストの削減へ迅速に着手できるのが特徴だ。

Procurement@BPS Procurement@BPSの利用モデル

 例えばProcurementは、年間2兆5000億円規模のIBMの間接資材購買ノウハウを標準プロセスとしている。ユーザー企業は、IBMに準じた価格で資材を購入できるほか、自社の承認プロセスなども統合できる。2〜3カ月(I2Cは5カ月)ほどで運用を始められ、「導入初年度から効果が期待できるだろう」(遠藤氏)という。

 サービスは世界30カ所余りの同社グローバル・デリバリー・センターが受け持つ。幕張と沖縄、大連、北京、マニラ、シドニー、ブリスベンの各センターでは日本語での対応も行い、総勢2000人体制でサービスを実施する。

 料金体系は、I2Cを除くサービスで従量課金制を、I2Cで成果報酬制を採用する。従量課金では例えば人事業務の場合は社員数を基準した体系に、成果報酬では削減に成功したコスト額の一定割合を報酬とするイメージだ。

 BTOは2004年の三井生命保険を最初に20社以上の実績があり、BPSでは今後1年間で百数十社の利用を見込んでいる。

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