SharePoint Server 2007によるECM構築――画面で分かるドキュメント作成【集中企画】エンタープライズコンテンツ管理・実践編(1/3 ページ)

ドキュメントライフサイクルを意識したエンタープライズコンテンツ管理システムを確実に運用するには、文書の雛形をできる限り用意し、ユーザーにとって使いやすい環境を用意することが重要だ。ここではSharePoint Server 2007を用いたECM構築ガイドをお送りする。

» 2007年03月14日 08時00分 公開
[ITmedia]

このコンテンツは、オンライン・ムック「コンプライアンス時代のマストアイテム!エンタープライズコンテンツ管理」のコンテンツです。関連する記事はこちらでご覧になれます。


ポータルによる文書管理

 従来、文書を作成する際は、Word やExcelといったアプリケーションを起動して一から作業を始めるか、既存の文書を開いてそれを雛形とし、一部を変更するということが多かった。そうして出来上がった文書の保存場所は、ユーザーのローカルコンピュータか共有のファイルサーバであり、文書の編集履歴やバージョン管理はファイル名を変更することで対応してきた。こうした方法しかない状況では、ユーザーは使い勝手に多少の不満があったとしても、各自の判断でそれなりに利用してきた。ただし、複数のユーザーが手を加え、共同で作成を行うような文書では、同名のファイルがいくつも存在したり、バージョン管理ができなかったりして、しばしば業務に支障を来すことがある。

 このような、ファイルベースによって個人任せだったこれまでの文書管理の方法をやめ、文書管理機能を備えたコンテンツ管理システムを利用して、文書作成から破棄に至るドキュメントライフサイクルの流れで管理しようという取り組みが多くの企業で進められている。Microsoft Office SharePoint Server 2007 に搭載されたエンタープライズコンテンツ管理機能は、まさにそれを実現するための仕組みを提供するものだ。

 では、SharePoint Server 2007 による文書作成の流れを、エムエス・コーポレーション(MicroCorp)という架空企業を例にとって見て行こう。

 SharePoint Server 2007 が導入されているMicroCorp では、次のような全社ポータル画面が各社員の"仕事の入口"になる。

 上の画面は、各社員が必要な情報だけを表示した全社の情報ポータルである。普段は「ニュース」で社内情報を入手したり、「カレンダ」で自分の予定を確認したりしたのちに、自分が所属する部署のサイトへと移動する。ポータルの操作は、上のメニューまたは左に一覧表示された「すべてのサイト コンテンツの表示」から行う。ここでは例として、商品企画部のサイトへ移動してみよう。

 商品企画部のホームページには、部署の予定表や業績、評価、仕事のスケジュールなど、部署内で業務に必要なコンテンツを組み込んで利用することが多い。MicroCorp 商品企画部のホームページでは、「主要業績評価」の部分に部署の年度別業績評価、「製造スケジュール」に作成中の企画書など仕事の進捗が表示されている。

 左の「すべてのサイト コンテンツの表示」の「ドキュメント」を見ると、部署で利用する各種文書を格納したライブラリが表示されている。部署でよく使う定型的な文書の作成作業は、ここから行うことになる。

 ここでは、「内部監査報告書」を作成してみよう。「ドキュメント」の「内部監査報告書ライブラリ」をクリックしてページを開く。

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