膨大なDBを抱えるNotesユーザーからの「SOS」よく効くエンタープライズサーチの処方箋(2/3 ページ)

» 2007年03月15日 08時00分 公開
[富永康信(ロビンソン),ITmedia]

 「GSAとExtenderを組み合わせて、ExtenderのACLキャッシュ機能を利用し、かつDominoサーバに負担をかけない工夫をすることにより、ACLを十分に反映した検索を高速に実現した」と松本氏。

 また、従来の検索エンジンでは、夜間バッチで前日のコンテンツやACL情報を取得してインデックスに反映させるが、GSA+Extenderでは常にDominoサーバを監視することにより、ほぼリアルタイムでインデックスを作成して、最新コンテンツを最新のACLで検索できるようになるという。

 同社のマーケットディベロップメントグループ プリンシパルである砂金信一郎氏は、「一般の企業における検索対象の中で、Notesが最も混沌(こんとん)としている。しかも、そのNotesの中身を効率的に検索できるツールがこれまでになかった。検索エンジン専門ベンダーでも、Notesへのアプローチは難しい。そこにテクニカルな手段で当社が役割を果たしているという構造だ」と説明する。

Googleのイメージなら誰もが納得できる

 では、なぜGSAなのか。

 リアルコムでは、長年各社の検索エンジンを自社のサービスに活用して知見を深めてきたという。検索エンジンをSIで導入した際に、最も困難なのは最後のチューニングの部分。パフォーマンスなどは定量的に測定できるが、確からしさや最適なランキングなどから判断される満足度は測定が難しいという。しかし、GSAの場合はGoogleの画面イメージが好まれ、ユーザーの理解も早いという傾向にある。日常で行う検索と同様なUIで見せられると、誰もがその検索結果に納得するという。それがGSAの強みだ。

画像 リアルコム マーケットディベロップメントグループの砂金信一郎氏

 「この5年間に、ユーザー側でインターネットの検索体験が培われてきた一方で、なぜ企業内検索は使いづらいのだろうという思いがあった。その点、Googleはインターネット上と同様な体験を提供する。当然、企業ユーザーにも受けがいい。ただし、企業内にはACLなどの決まり事が存在するため、その部分はしっかりと担保する必要がある。Extenderの役目はそこにある」(砂金氏)

図2 図2●メタデータの活用とKnow Who連携(クリックで拡大)

 また、Extenderには検索キーワードに関連して、Know Who(*2)データベースとの連携など、「人」の情報にアクセスできる機能や、Notesがどれだけ閲覧されたかという情報、文書に関連する情報をレコメンデーションする機能なども備わっている(図2)。情報基盤との連携をしながら、さらに高度な検索を目指しているという。


*2 Know Who(ノウフー):「誰が何を知っているのか」「専門家やエキスパートがどこにいるのか」といった社内の専門家の存在を特定する仕組み。知識やノウハウを持つ人と必要とする人とを結び、知識の有効活用を図る。


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