ドキュメント管理機能を一新したSharePoint Server 2007(4/4 ページ)

» 2007年03月19日 10時15分 公開
[Chris Alliegro,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版
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SharePoint Server 2007の新しいソリューション

 SharePoint Server 2007では、WSSをベースに、一般的なドキュメント管理に対応したサイトテンプレートとすぐに使えるワークフローソリューションが追加されている。これらの機能は、企業内開発者やIT担当者によるドキュメント管理ソリューションの構築を簡素化するとともに、ISVなどのMicrosoftパートナーがSharePoint Serverをベースに、カスタムソリューションや製品を迅速に開発するのに役立つだろう。

定義済みのワークフロー

 SharePoint Server 2007には、Windows Workflow Foundationをベースにしたいくつかの定義済みのワークフローが用意されている。これらのワークフローは一般的なドキュメント関連の作業プロセスに対応しており、その中には、ドキュメントのレビュー、承認、ほかの言語への翻訳、デジタル署名の収集のためのワークフローなどが含まれる。これらの定義済みワークフローは、顧客とパートナーにいくつかの重要なメリットをもたらす。

 最も明らかなメリットは、IT部門が、ユーザーの一般的な作業プロセスを効率化できるシンプルなドキュメント管理ソリューションを迅速に導入できることだ。例えば、レビューワークフローにより、職場のチームで頻繁に行われるドキュメントの準備、レビュー、完成のプロセスにおける多くの定型的な作業を省くことができる。ドキュメント作成者はこのワークフローを利用して、ドラフトの完成を同僚に連絡し、フィードバックを求めることができる。その際、ドキュメントをSharePointドキュメントライブラリに格納し、レビュアーに電子メールで連絡する作業は、ワークフローで処理される。ワークフローに関連付けられているステータスページにより、作成者はワークフローの進捗状況を追跡でき、同僚に状況を何度も確認しなくても済む。ワークフローはコンテンツタイプにリンクされるようになっており、コンテンツタイプには、ユーザーが当該のタイプを操作している際に利用できるワークフローのリストが含まれる。

 企業はSharePoint Serverのワークフローのさまざまな側面を、SharePoint Server自体を使ってカスタマイズできる。例えば、承認ワークフローでレビュアーがチェックを行う順序を指定することができる。また、開発者はVisual StudioやSharePoint Designerを使って、SharePoint Serverの定義済みのワークフローをより大幅にカスタマイズできる。さらに、Microsoftは、新しいカスタムワークフローを作成するための出発点として利用できるサンプルコードを提供している。このサンプルコードは、開発者がSharePoint Server 2007とWorkflow Foundationを使ったプログラミングを学習するのにも役立つ。

ドキュメント管理テンプレート、ライブラリ

 SharePoint Server 2007には、ドキュメントセンターというカスタマイズ可能なサイトテンプレートが用意されている。ドキュメントセンターは、ドキュメントの整理と保存に使われるWebサイトの展開を容易にする。ドキュメントセンターは構築済みのSharePoint Serverサイトであり、トップページとドキュメントライブラリのほか、ドキュメントの追跡やチームメンバーの作業調整を行うための情報を含んでいる。

 また、SharePoint Server 2007では、企業がドキュメントを複数の言語に翻訳する際に利用できる特別なタイプのドキュメントライブラリが提供されている。翻訳管理ライブラリと呼ばれるこのライブラリ内のドキュメントは、いくつかの特別なプロパティを持っている。例えば、翻訳ワークフローへのアクセスや、言語ごとにドキュメントの表示を許可するフィルタなどだ。

 SharePointのサイトやライブラリを作成するのはかなり簡単だ。例えば、IT担当者はフォーム画面に従って、管理対象となるドキュメントリポジトリを作成し、そのURLを定義し、その支援リソース(ドキュメントライブラリなど)を用意し、これらのリソースを構成することができ、コードを書く必要はない。

ドキュメント変換のサポート

 SharePoint Server 2007では、一連のドキュメントコンバータや新しいAPIを利用して、SharePointサイト上のドキュメントのファイル形式を変換できる。

 ドキュメントコンバータは、ある形式のドキュメントを入力として受け取り、そのドキュメントを別の形式で出力するプログラムだ。ドキュメントコンバータは、企業が通常、Wordなど特定のアプリケーションでコンテンツを作成し、そのコンテンツをAdobe PDF(Portable Document Format)やHTMLなど、別の形式で発行している場合に役立つ。

 ドキュメントコンバータは、コンテンツタイプと結びついている。つまり、コンテンツタイプごとに、どのコンバータが使用できるかが指定されるようになっている。ユーザーは特定のタイプの任意のドキュメントを、SharePointのWebブラウザインタフェースから変換でき、SharePoint Serverが元のドキュメントと変換後のドキュメントの関係を保持する。また、開発者はSharePoint Server 2007のドキュメント変換APIを使って、ドキュメント変換が可能なアプリケーションを作成できる。例えば、ユーザーがワークフローの一部としてドキュメントを変換できるアプリケーションを作成することが可能だ。ただし、開発者はドキュメントを変換するコードの作成に時間をかけなければならない。SharePoint Server 2007には、WordドキュメントをWebページに変換するコンバータなど、いくつかのドキュメントコンバータが用意されているが、ドキュメントコンバータの作成ツールは付属していない。

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