ネットエイジG、「セカンドライフ日本語版」参入ベンチャーの支援ビジネスに進出――メルティングドッツと資本・業務提携し「セカンドライフ支店」を開設

» 2007年03月28日 18時53分 公開
[ITmedia]

 ネットエイジグループのファイナンス・インキュベーション事業統括会社、ネットエイジキャピタルパートナーズ(NCP)は3月28日、3Dバーチャルビジネス専門プロダクションのメルティングドッツと戦略的な資本業務提携を行うことで基本合意したことを発表した。これによりNCPは、バーチャルワールド「セカンドライフ」に参入する企業のインキュベーション事業を開始する。一方、メルティングドッツはNCPの支援を受け、バーチャル空間上のBtoBならびにBtoCサービスの提供を強化する。

 メルティングドッツは、バーチャルワールドに特化したコンサルティング、プロモーション、コンテンツ制作を手掛けるプロダクション。提携により、同社が運営する、セカンドライフ上の土地区画「Meltingdots SIM」に「ネットエイジキャピタル セカンドライフ支店」を開設する。仮想空間上で、情報提供やビジネスモデル提案の受付などを行い、投資案件の窓口拡大やベンチャー企業に対するインキュベーションサービスメニューの拡充を図る。

 NCPは、メルティングドッツが実施する第三者割当増資による新株を引き受け、20%分の株式を取得する。また、仮想通貨の両替サービスや都市開発事業に備え、仮想通貨1億5000万リンデンドル(5000万円相当)を購入する。発表によると、その額は日本最大規模。

 「セカンドライフ」は、米リンデン・ラボが運営する、インターネット上の3次元CGによる仮想空間サービス。リンデン・ラボが用意した空と大地だけのバーチャルワールド内で、ユーザーが自由にコンテンツをつくっていく空間だ。従来、3Dバーチャルワールドといえばオンラインゲーム上だけのものだったが、「セカンドライフ」の登場により、「3DバージョンのWWW(インターネット)」へと進化する可能性が出てきたとされる。次世代型WEB2.0コミュニティとも呼ばれるこのサービスに登録しているユーザーは現在、500万人超を数える。現在のサービスは英語版のみだが、米大手企業の相次ぐ参入を受け、日本の大手企業もすでに参入している。日本語版サービスはまもなく提供される予定。

 メルティングドッツは、「セカンドライフ」のサービス開始を受けて、2006年11月に設立された。同社によると、日本語版オープンに先駆け、日本人ユーザー専用の入会登録ページとチュートリアル施設を日本で初めて開設した。初心者に対し、日本語の操作方法の解説、日本人向けアバターやアイテムの無料配布を行っていく。また、登録ページのシステムを、参入を希望する事業会社などにもOEM供給していくという。

 両社は今回の日本語環境整備により、日本国内のユーザー・参入企業双方の「セカンドライフ」の活性化に貢献していくことを表明している。

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