無停止性を追求し、ビジネスのゼロ・ダウンタイムを実現するシステムとは止まらない、という絶対価値

企業のビジネス基盤を確固としたものにするためにとりわけ重要なのが、BCPという考え方である。いまやITは、われわれが身近に利用する社会インフラの根幹となっており、災害や障害によりシステムがダウンした場合、経営に大きなダメージを負うからだ。では、BCPを実現できるIT基盤とは、どのようなものなのだろうか?

» 2007年03月29日 10時10分 公開
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“動いて当たり前”のIT基盤――停止するとどうなる?

 地震や火事、漏電や停電、そして人為的なトラブル。現代社会の各種サービスを支えるIT基盤は、様々なリスクに囲まれている。だが、あなたの会社のシステムは、こういった不慮のトラブルに対応できるだろうか?

 言うまでもないことだが、現在のITシステムは「サーバが停まってごめんなさい」では済まされない。それはなぜか。今やインターネットやモバイルなどの普及で、24時間365日眠らない社会が当たり前となっており、もはやITシステムは、水道やガスなどと同じユーティリティ、つまり社会基盤となっているからだ。

 企業にとっては、もしシステムがダウンした場合、短期的な損失に加え、長期的な信用の失墜や、ビジネス規模の縮退など、巨大なリスクがある。したがって、通信や金融そして流通といった社会インフラを提供するサービス事業者は、自社のITシステムに対し、無停電電源の調達やネットワークの冗長化、あるいはディザスタリカバリ体制の構築など、様々な対策を講じている。

 近年IT分野において、こういった対策がBCP(business continuity plan)として注目を集めている。また政府も「事業継続ガイドライン」としてBCPの策定に乗り出しているが、この分野で30年前から市場を牽引してきたサーバ製品が、HPのNonStopサーバであるという。今回、企業がBCPを実現する基盤となっている、同サーバについて、日本ヒューレット・パッカード エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 NonStopサーバ製品本部 浅野勉氏に話を聞いた。

BCPの現実解として社会インフラを支えてきたサーバ

日本ヒューレット・パッカード エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 NonStopサーバ製品本部 浅野勉氏

 「現代は、いろいろな業種が連携し複合化しています。たとえば携帯電話とクレジットカード会社が結びついたり、SuicaやEdyのような電子マネーも鉄道だけでなく、量販店、コンビニなどでも使えるようになったりしています。そうした状況の中で、例えば、決済のサービスを提供している会社のシステムがダウンして復旧に5分かかったとすると、それに連携している会社の業務にまで連鎖して、そのトラブルがさらに拡大してしまうのです。NonStopサーバは、そのような高いミッションクリティカル性を求められる分野で、力を発揮してきました」(浅野氏)

 浅野氏によれば、NonStopサーバの原型は、1975年に開発された世界初の商用フォールトトレラント(ft)システム、「NonStop System」であるとのこと。その一号機はシティバンクに納入され、その後OLTPの無停止型システムとして、可用性や信頼性を備えたリアルタイム処理やデータの保全性を望んでいた金融、証券、クレジットカードなどの業種に相次いで導入されたという。

 その後、4080CPUまでの拡張性、高速性を備え、OLTP用途のみならずデータベースなどアプリケーション型のシステムとして発展してきた。1995年にはそれまでの並列アーキテクチャを踏襲しながら、独自のOS「NonStop Kernel」を採用した超並列サーバ「NonStop Himalaya」を発表、Java、CORBA XML、Webサービスなどのオープン技術にも積極的に対応を進めたとのことだ。

 とはいえ1990年代前半までは、同サーバには「特殊なサーバ」という印象が強かったのも事実。だが1990年代後半に、タンデムコンピューターズがコンパック、さらにディジタルイクイップメント(DEC)と合併、さらにそのコンパックが米ヒューレット・パッカードと合併するという再編劇の中で、マーケットの中心に登場する。

 そして2002年の米ヒューレット・パッカード、コンパックの合併に伴い、NonStop Himalayaという名称が、「HP NonStopサーバ」に変更される。さらに2005年には、インテル Itanium2を採用した「HP Integrity NonStopサーバ」も投入。これにより、コスト/パフォーマンスが一気に倍以上に引き上げられたという。

 「NonStopサーバの基本的な設計コンセプトは創業以来変わっておらず、歴史的にもその価値を認められております。その設計コンセプトをベースにしつつ、時代に合わせてその時々の最新技術を取り入れています。たとえば、PerlやApache、Tomcatなどのオープンソースは300種類以上に対応しておりさらに成長を続けています。」(浅野氏)

High Availability(以下HA)システムともクラスタとも違う、究極の“無停止”を実現

 浅野氏によると、一口に無停止型といっても、その考え方は2つあるという。「止まらないシステム」ということと、「止めなくてもよいシステム」だ。

 前者は、いわゆる計画外停止であり、どんなトラブルが発生してもシステムを停止せずに処理を継続するという機能とのこと。そして後者は、システムのメンテナンスやデータベースの再編成などで発生する、計画内停止を指すのだという。

 「“止まらないシステム”を実現する場合、クラスタ製品やHAシステムでは、ミドルウェアなどを使って人が工夫をして二重化をすることにより耐障害性を実現しています。しかし、NonStopサーバでは、設計コンセプトが違うのでハードウェアとOSを含めた耐障害性をもともと実現しており、真の無停止型環境を提供できます。」(浅野氏)

 例えば、クラスタ製品は、計画外停止のうち、ハードウェア故障や電源異常などシステム障害にしか対応しない。しかしこれは統計上、計画外停止の約20%にすぎない。またアプリケーション障害や操作ミスがそれぞれ40%ほどを占め、これには対応できない。同 サーバなら、アプリケーション障害のほぼ半分、そして操作ミスにも一部対応できる。またクラスタ製品では、計画内停止がほとんど考慮されていない。

 しかし、浅野氏によれば、同 サーバは計画内停止の発生要因に対して95%以上も対応しており、業務を止めずにメンテナンスやデータベースの再編成ができるのだという。

 どうやら、本当の無停止型、真のBCPを実現するには、一般的なHAシステムやクラスタ・システムではなく、NonStopサーバが必要といっても、過言ではないようである。

サーバ停止時におけるNonStopサーバのカバー領域(HP自社調べ)

同サーバの利点はまだあるという。それは、TCOの削減効果だ。

 「クラスタ製品はミドルウェアやRDBMS、アプリケーションによって工夫をして、障害が起きた場合どのようにリカバリするかというシステムを、実際に作らないといけません。しかしNonStopサーバはTPモニター、RDBMSなどをすべてOSにバンドルしており、クラスタ機能そのものもOSの標準機能として提供しています。そのため、無停止型、高可用性のシステムを構築する場合も特別な費用が発生しません。サーバをリカバリするコストを考えたときも、TCOの削減効果が期待できるのです」(浅野氏)

一般的なリカバリタイムとコストの関係

 ビジネス継続性を高めるにあたり、効果が高く、コストも抑える。これが、同サーバが市場に支持されてきた要因といえるのではないだろうか。

社会インフラを支えてきた豊富な実績

 浅野氏によると、現在、NonStopサーバは金融、証券、通信の3分野を中心に、幅広い業種で採用されている。例えば、金融分野では、ATMやクレジットカード業務処理など世界の500以上の金融サービスで使われ、高額の電子決済ネットワークの80%およびほとんどのクレジットカード決済が、NonStopサーバで処理されているそうだ。

 また、ニューヨーク証券取引所(NYSE)などを始めとする世界の主要証券取引所のほとんどが同サーバを採用し、トランザクション数としてはNYSEの倍以上の取引高を誇るCME(シカゴ商業取引所)もユーザーという。

 国内でも、多様な業種で数多くのシステムが稼働しているという。一般にはあまり知られてはいないが、NonStopサーバは、私達の何気ない日々の生活をささえるところで利用されているようである。

 例えば、マルイのEPOSカードのような日本国内で流通しているほとんどのカードの各種決済サービスがNonStopサーバ上で運用されている。時差がある海外、インターネット等でカードが使用でき、また、カードのみならず為替決済にも多く利用されており、24時間・365日の処理が必要となる絶対的な信頼性が求められる分野で、利用されているそうだ。

 通信業界においては、KDDIは携帯電話「au」のメールサービス「auマルチメディアメッセージ」のサーバとしてNonStopサーバを導入しており、そのCPU数は三桁を越え、世界有数の大規模ユーザーだという。導入の背景には同サーバの持つ絶対的な信頼性や高可用性のほか、直線的な拡張性も大きな要因となったとのことだ。

 流通業界では某大手コンビニエンスストアチェーンの事例も挙げられるという。1日何度も発注のあるものをリアルタイムで受発注処理し、販売機会の損失を防止。また地域災害対策も考慮し、2拠点にそれぞれNonStopサーバを配置し、データのリプリケーションが行われているそうだ。

 これらの例以外にも、全世界の200以上の病院やヘルスケア、そして旅行業やレジャー産業、国防、警察、消防を含む政府機関、450以上の製造業、400以上のデパート、小売り、卸売りが導入しているとのレポートを、浅野氏は紹介してくれた。無停止型超並列サーバというと、一般にはなじみがないが、快適で便利な日々の生活を通して、実はわれわれは知らず知らずにNonStopサーバの恩恵を受けていたようだ。

 止まらないという絶対価値、まさに企業の、そして社会の“継続性”を支えるサーバだといえよう。

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提供:日本ヒューレット・パッカード株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2007年7月23日