技術と人の戦い──トラックバックは廃れゆく運命かオルタナブログ通信(2/5 ページ)

» 2007年03月30日 19時05分 公開
[森川拓男,ITmedia]

 “空気の入れ換え”、というものが少なからずあったように思える。パソコン通信に限らず、「燃え尽き症候群」のような現象もあるかもしれないが……。参加するユーザーによって空気感が少しずつ換わっていき、場が形成されたと同時に、気付いたら居心地が良い場ではなくなった? という感覚を感じ取ったのかもしれない。このようなケースでサイレントユーザーへと変貌する。

 伊藤氏の考えには筆者も同調する。事実、読者からこのエントリへコメントもあり、Yahoo!のSNSにも、mixiから移ってくるというユーザーが多いようだが、その理由が伊藤氏が触れた内容と共通のものがある、というのだ。ただし、サイレントになることだけではなく、新たな場所へと移籍してしまうということか……。

 しかし、伊藤氏が語るように、古くから盛り上げていたユーザーが去ってしまう、もしくは発言しづらい雰囲気になってしまうのは、世の常かもしれないが、少し寂しいことでもある。それほどネット上はスピードによる移り変わりが早い、とも言えるのかもしれない。

 また、ネット上で人が集まっているサービスに、Q&Aコミュニティーと呼ばれるジャンルがある。「人力検索はてな」や「Yahoo!知恵袋」など、質問を投稿したら、ほかのユーザーが答えを書きこむ形態のコミュニティーサイトである。ここにもユーザーの新陳代謝は起きているが、筆者が注目したのは吉川日出行氏の「ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦」で23日に投稿された人々はQ&Aコミュニティで何を探しているのか?。ここでは、Q&Aコミュニティの学術利用といった事例から、人々がQ&Aコミュニティで求めるものは何だろうか? と疑問を投げかけている。

 問いに出てくる「方法」を細分化する「方法」(アイデア)を求めているわけだ。いろいろと考えてみると、新しいネットサービスの端緒が得られるかもしれない。

トラバ機能は廃れるのか?(きょこ コーリング)

 インターネット上のブロガーは、今でも増加し続けているという統計がある。SNSで日記(ブログ)を投稿するユーザーも多い。しかし、ブログには付きものの「トラックバック」を使っているというユーザーは、いったいどの程度なのだろうか?

 トラックバックとは、ある事柄についてエントリーを投稿する際、別のブログで書かれているエントリーに対し、自らの投稿内で触れるとともに、触れたことを意図的に知らせるための仕組みだ。これでブログ同士がつながる――これが正しいトラックバック、……のはずだった。

 加藤恭子氏が「きょこ コーリング」に27日投稿したトラバ機能は廃れるのか?で書かれているが、警鐘を鳴らしている。

 昨今の情勢から、トラックバック(トラバ)が、アフィリエイトやスパムなどによって荒らされ、理想的に機能しなくなっている傾向にある。そして、トラックバックが機能しなくなったブログからは、人が少なくなっていくのだろうか、伸びが鈍化しているという。それに比して、SNSユーザーは同時期に倍の伸びを示しているという。無意味と化したトラックバック離れが、そのままブログ離れへと繋がるのだとしたら、何らかの対策を立てる必要があるのかもしれない。

 また、トラバスパムや、存在そのものがスパムのブログも存在するが、それらの中には自動化されているものも増加傾向にある。工藤拓也氏の「一人シリコンバレー男」では、25日にComputer Generated Mediaの時代がくる?というエントリが投稿されている。

 つまり、「コンピュータが自動的にブログを書く時代」が到来するのか否か? ということである。従来からも、多くの人に見えるものとして、BlogPetが投稿された内容から言葉を拾ってきてエントリーを投稿するというアプローチもある。それがもっと進化したらどうかということだ。それも、遠い未来の話ではないような気がする。事実、そういう実験を行っているところがあったと記憶している。ユーザーのニーズが生まれるか否かだが、毎日ブログを更新したいがネタに困っているというユーザーがいれば、このような取り組みが進んでいく可能性も高いだろう。

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