中古PCは買い替え需要の潤滑油?――業界の新たな取り組みは「3R」へ(1/3 ページ)

今や年間100万台以上の市場規模に達しているとも言われる中古パソコンだが、その品質やデータの消し忘れなどによる情報漏えいの懸念が指摘されてきた。そうした懸念を払拭しようと、中古情報機器の業界団体が新たな取り組みを開始した。

» 2007年04月03日 07時00分 公開
[松岡功,アイティセレクト編集部]

中古品事業者向けに認定資格制度を新設

 パソコンを中心とする中古情報機器の再利用を促進する有限中間法人・中古情報機器協会(RITEA)がこのほど、中古品を取り扱う事業者に対する資格認定制度を開始した。同制度によって、使用済みの製品の売却・買取から適切なデータ消去・再生工事、さらには良質な中古品として販売するための基準を設定し、その基準を満たす事業者を増やすことでユーザーが安心して売買できる市場の構築を目指す。

 RITEAが認定する事業者資格は、買取(引取)、再生工事(データ消去)、販売の3分野からなり、パソコン、サーバ、ワークステーションが対象。その審査内容は、1)良質な中古品を取り扱う企業としての基本的な仕組み、2)中古品の取り扱いに関する適切な業務処理の仕組み、3)ユーザーに対する適切な情報提供の仕組み、からなる合計33項目の規定を設けている。具体的には、RITEAの担当者が中古品を取り扱う事業者のもとに赴いて、規定に沿った作業の手順や体制が整備されているかを確認する。

 そのうえで、再生工事の資格を取得した事業者が販売する中古品にはRITEAが作製した認定ラベルを貼り付け、ユーザーが安心感を持って購入できるようにする。また、そのうちウィンドウズ2000/XP以降のOSが再インストールされたパソコンには、トレンドマイクロの最新セキュリティソフト「ウイルスバスター2007トレンドフレックスセキュリティ90日版」インストールモデルも用意される。

 RITEAでは2月22日、同制度の第1弾の認定事業者として、同協会に加盟している次の25社を発表した。

 アットスター、アンカーネットワークサービス、インバースネット、ウィンブレス、NECパーソナルプロダクツ、NTTネオメイト、川上キカイ、グッドウィル、国際産業技術、上武、西菱電機、ソフマップ、ティーズフューチャー、デジタルリユース、東電環境エンジニアリング、日本システムケア、パシフィックネット、ブロードリンク、マイクロソリューション(以上は正会員)、カマン、木村メタル産業、九十九電機、テイコク、東洋精機、福岡デイリーサービス(以上は準会員)。

「RITEA認定中古情報機器取扱事業者ラベル」の貼り付けイメージ例
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