ブルーコート、自宅PCやモバイルワーカーにもWAN高速化のメリットを提供

ブルーコートシステムズは、外出先や自宅からサーバへのアクセスを高速化するクライアントPC向けソフトウェア「Blue Coat SGクライアント」を正式にリリースした。

» 2007年04月09日 19時26分 公開
[ITmedia]

 ブルーコートシステムズは4月9日、外出先や自宅のPCからデータセンター内のサーバへのアクセスを高速化するクライアントPC向けソフトウェア「Blue Coat SGクライアント」を正式にリリースし、出荷を開始した。

 SGクライアントは、同社が2006年12月に開催したカンファレンスで発表された製品だ。これまで拠点向けアプライアンスの形で提供されてきたWAN/アプリケーション配信高速化機能を、クライアントPCにも提供する。

 ブルーコートはこれまで、企業ゲートウェイ向けアプライアンス「Proxy SGシリーズ」を通して、キャッシュプロキシやセキュリティコントロール、WAN/アプリケーション配信の高速化といった機能を提供してきた。

 アプリケーション配信高速化の部分を担う技術が「MACH(Multi-Protocol Accelerated Caching Hierarchy)5」だ。ファイル共有に用いられるCIFSなどのプロトコル最適化のほか、オブジェクトキャッシュやバイトキャッシュ、gzip圧縮、帯域幅管理といった要素を通じて、WAN越しのアプリケーションへのアクセスを高速化する。

 Blue Coat SGクライアントは、MACH5のうちクライアントPCで特に有効な機能として、プロトコル最適化とオブジェクトキャッシュ、gzip圧縮を実装したソフトウェアだ。データセンター側に置かれたProxy SGシリーズとの間で通信を高速化し、ファイルサーバへのアクセスのほか、MAPI、Webアプリケーションなどをスムーズに行えるようにする。

 「セキュリティ上、コンプライアンス上の理由によって、データセンターへのサーバの統合が進んでいるが、WAN越しのアクセスはLAN経由に比べ遅延が非常に大きい。こうした部分にMACH5は有効」と米Blue Coatのプロダクトマネジメント担当、マーク・エリオット氏。これまでは支店などのオフィスなどでしか利用できなかったこの機能を、クライアント環境にも拡張し、「データセンターと拠点間、データセンターとクライアント間、両方の通信を最適化する」(同氏)

 説明会の席で行われたデモンストレーションでは、米国本社に置かれた約460KBのPowerPointファイルをWAN越しにコピーする様子を紹介。通常の通信では50秒程度掛かっていた作業が、SGクライアントを有効にすることで27秒に短縮。2回目以降のコピーでは、さらにキャッシュを活用することで、7秒程度でコピーされた。

 SGクライアントは、Proxy SGシリーズのオプション機能として提供され、利用にはアプライアンス専用OSの最新版「SGOS 5.1.4」が必要だ。価格は250ライセンスの場合で1ユーザー当たり1万円前後となる。Windows XPに対応しており、数週間のうちにWindows Vistaもサポートする計画だ。

 同社では今後もSGクライアントの機能を拡張し、バイトキャッシュや帯域幅管理といった技術もサポートする計画だ。さらに、WebアプリケーションでのHTTPSの採用が広まっていることから、2007年中に、HTTPSによる暗号化と高速化を両立させる仕組みも実装していくという。

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