アップグレードで機能が充実したEnterprise Project Managementソリューション

Microsoft Enterprise Project Managementソリューションの最新版は、一元的な体制による効率的なプロジェクト管理をサポートする機能が強化されている。だが、導入と保守のために、Microsoftのパートナーの支援サービスを利用しなければならない場合が多いだろう。

» 2007年04月10日 11時30分 公開
[Michael Cherry,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 大幅に機能強化された新しいMicrosoft Office Enterprise Project Management(EPM)ソリューションにより、企業は新製品の投入から大規模ビルの建設まで、幅広いプロジェクトの提案、承認、管理を、一元的な体制でより効果的に進めることができる。また、このEPMソリューションの最新版は、経営幹部用のプロジェクト情報の質を向上させる。だが、アーキテクチャー上の理由から、EPMソリューションの導入やサポートでは、複雑な作業が必要になる。ERPソフトウェアと同様に、EPMソリューションの導入展開を成功させるには、技術の実装や、組織上の問題の解決、継続的な保守およびサポートのために、Microsoftのパートナーの専門サービスを利用しなければならない場合が多い。

Enterprise Project Management(EPM)ソリューションとは

 Microsoft Office EPMソリューションは、以下の3つの製品に基づく多層アーキテクチャーを持っている。

  • Office Project Professional:プロジェクトマネジャーがプロジェクトのマイルストーン(中間目標)とリソースを定義し、追跡することを可能にする。
  • Office Project Server:中央でProject Professionalデータベースをホストし、プロジェクト担当者とシニアマネジャーにレポート機能やデータ入力機能などを提供する。
  • Office Project Portfolio Server:2006年1月にUMTの買収で獲得した製品に基づいている。マネジャーがレポートやダッシュボードを作成し、提案された、あるいは実施中のプロジェクト群(ポートフォリオ)を、投資収益率(ROI)や人員稼働率などのビジネス指標を用いて評価、追跡することを可能にする。

 EPMソリューションの最新版は、プロジェクトのライフサイクル全体をサポートするように設計されている。通常、プロジェクトのライフサイクルは以下のフェーズから構成される。

  • 概要レベルのマイルストーンと成果物を定義し、コストと効果の見積もりを行い、新しいプロジェクトを作成する。
  • プロジェクトが企業にもたらす価値に基づいて、作成されたプロジェクトの中から最も重要なものを選択し、承認する。
  • 承認された概要レベルのマイルストーンと成果物の定義を発展させ、プロジェクトの詳細計画を作成する。詳細計画は、プロジェクトのタスク、相互依存関係、リソース配分の追跡と文書化に使われる。
  • プロジェクトの進捗を管理し、順調な進捗を維持するために運営の改善策を適宜実施する。

 EPMソリューションは、プロジェクトの管理プロセスと経営的分析の標準化に役立つ。これにより、リソースを有効活用することに加え、承認されたプロジェクトがビジネス価値を実現して最高の投資効果をもたらすことに貢献する。こうしたEPMソリューションは、複雑なプロジェクトを管理する建設やエンジニアリングといった業種の企業にとって特に有益なだけでなく、他業種の企業の特定のプロセス(例えば、プロジェクトの設計や品質向上プロジェクトなど)もサポートできる。Microsoftやパートナーのシステムインテグレーターにとって、EPM製品は、それ自体が大きな収益源であるとともに、その利用に必要なWindows ServerやSQL Serverといった製品の販売を促進する役割も持っている。

 EPMソリューションを導入展開するには、大規模な計画、投資、運用サポートが必要だ。例えば、企業のすべてのプロジェクト情報が単一のリポジトリに保存されるため、プロジェクトデータの可用性を最大限に高め、データが決して失われないようにするには、耐障害性の高い信頼できるインフラを確保しなければならない。また、プロジェクトの承認と管理は、さまざまなチームが常に場当たり的なプロセスで行っているというケースが多いが、EPMソリューションを利用する上では、企業はこうしたプロセスを標準化する必要がある。

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