ステークホルダーは複数名、さあどうする?――ブレークスルー思考がカギ仕事の幅が広がる(1/2 ページ)

ITコーディネータが仕事をするときの基準、「ITCプロセス」はさまざまな応用が利く。対処療法的な現場改善ではなく、経営目標に照らした抜本改革を進める「ブレークスルー型」の思考を助けるからだ。こうした思考に基づいた顧客への提案は結果として仕事の幅を広げてくれる。

» 2007年04月20日 10時05分 公開
[大西高弘,アイティセレクト編集部]

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ドラスティックな変化が求められる

 ITコーディネータ協会の関隆明会長によると、中国、韓国が最も注目している日本の強みは「マネジメント力」であるという。そしてITコーディネータという存在に対しても、自国に導入できないかと興味深々というのだ。参照記事

 大型の輸送機械、産業ロボットから精密な電子部品までレベルの高いモノづくりをこなし、世界の市場で戦う製造業大国に対する憧れはいまだに健在ということなのだろう。しかし、「マネジメント力」に注目されていると聞いて、面映い思いをする読者も多いのではないか。日本企業は今、「チェンジ、マネジメント」の真っ最中なのだから。

 「これまでは、現場が何を実現したいのか、がメインテーマだった。しかしこれからは経営が目指す目標を中心テーマにして、環境に合わせたドラスティックな変化が何度も必要になってくる時代だと感じています」と語るのは、富士ゼロックス、営業本部 グローバルサービス営業部の鳩貝 潤氏。

富士ゼロックス、鳩貝 潤氏

 鳩貝氏は、2004年にITコーディネータ(以下、ITC)の資格を取得し、仕事の中でもそこで学んだことを生かしているという。現在、約7200人いるITCの7割が鳩貝氏のようないわゆる「企業内ITC」だ。

 「PMの資格を持つかつての上司が、ITCの資格を取り、社内で勉強会を開いていたんです。私もそれに参加してから、資格取得の勉強を始めました」(鳩貝氏)。

 富士ゼロックスは社員のITC取得に対してかなり熱心だというが、もちろん資格を取得しただけで仕事のレベルが上がるのではない。鳩貝氏も次のように語る。

 「ITCが仕事の基本とする5段階のプロセスがありますが、これは資格取得時に学んだからといってすぐに仕事に生かせるというわけではありません。やはり実際に経験した中から『ああ、あの場面でこのプロセスを活用すればよいのだな』と1つずつ実感していく中で学んでいくものなのです」

 鳩貝氏の言う5段階のプロセスとは、ITCが顧客に対して行う手順の基本形である。経営課題からITの実装、運用まで一貫したプロセスの中で最適なシステムを構築する。

5段階のITCプロセス
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