2007年第1四半期、Intelはプロセッサシェアで80%以上を確保したとのリポートが発表された。
この度、最近公表されたリポートによると、Intelは2007年第1四半期
、自社のマイクロプロセッサの販売伸び悩みと低価格化という逆風にもかかわらず、最大のライバルであるAdvanced Micro Devices(AMD)から市場シェアを奪い返した。
カリフォルニア州エルセグンドにある市場調査会社、iSuppliによると、今年第1四半期にIntelはマイクロプロセッサ市場で80%以上のシェアを確保したという。一方、AMDは、市場シェアが約11%にダウンした。
4月19日に公表されたリポートでは、AMDは2006年10〜12月期から市場シェアを4%以上失ったとしている。iSuppliの長期分析によると、AMDの数字が最も良かったのは16.7%の市場シェアを確保した2006年7〜9月期だった。同期のIntelのシェアは73.9%だった。
このリポートは、x86マイクロプロセッサだけでなく第1四半期に販売されたすべてのプロセッサを対象としたもの。
アナリストによると、Intelはデュアルコア製品で売り上げを伸ばしたという。
iSuppliのアナリスト、マシュー・ウイルキンス氏は、「Intelの実績を分析すれば、デュアルコア型PCマイクロプロセッサの主力ファミリーとなるCore 2 Duo製品の戦略シリーズで同社の売り上げが伸びたことが分かる」とレポートに記している。
「これは、2006年にAMDが人気の高いマイクロプロセッサで優位に立ち、Intelからシェアを奪ったとき比べて状況が逆転したことを示している」(同氏)
リポートが公表されたのと同じ4月19日、カリフォルニア州サニーベールを本拠とするAMDは、生彩を欠いた第1四半期の財務報告を行い、6億1100万ドルの純損失を発表した。また、マイクロプロセッサ企業にとって重要な指標となる粗利益率も同四半期に28%にダウンした。昨年同期のAMDの粗利益率は約58%だった。
一方、Intelは4月17日に第1四半期の決算を発表し、16億ドルの純利益を計上したことを明らかにした。同社の粗利益率は昨年同期の55%から今四半期には50%に減少したものの、この数字は予想を上回るものであった。
IntelとAMDの両社は、このところ厳しい価格競争にさらされており、マイクロプロセッサ市場自体も低迷気味だ。しかしIntelでは今四半期、自社のプロセッサのASP(平均販売価格)は変わらなかったとしている。一方、AMDのASPは低下した。
決算発表後に行われたアナリストらとの電話会見でAMDの幹部は、同社の戦略を大きく変更するつもりだと語った。
AMDでは、自社のクアッドコアOpteronプロセッサにも期待を寄せている。「Barcelona」のコードネームで呼ばれる同プロセッサは、今年7〜9月期にサーバとデスクトップ向けにリリースされる予定で、同社の業績改善の起爆剤になるとみられている。Intelは昨年11月にクアッドコアプロセッサを投入したが、AMDではIntelのクアッドコアプロセッサよりも優れたデザインのチップを提供するとしている。
Intelでは、45ナノメートプロセスで製造したプロセッサを年内に投入する準備を進めている。AMDが45ナノメート製造プロセスに移行するのは、2008年後半になる見込みだ。
AMDが4月19日に明らかにしたところによると、Barcelonaの開発は順調に進んでいるようだが、これが同社の業績回復につながるかどうかは疑問だとするアナリストもいる。
ニューヨークにあるMerrill Lynchのアナリスト、ジョー・オーシャ氏は、「AMDはこの10年間ずっとそうだったように、プロセス技術でIntelよりも大きく後れている」と記している。
「AMDはBarcelonaで反撃できるかもしれないが、クライアント向けプロセッサでどんな優位を確保しようとも、Intelが45ナノメートル製品を投入すれば、そういった優位はすぐに失われるだろう」(同氏)
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