KDDIのチャレンジ2010、対法人市場はソリューションが肝

KDDIの法人事業戦略では、固定網と無線網を統合した情報プラットフォームによるソリューションを展開する。

» 2007年04月25日 07時00分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 KDDIは4月24日、売上高4兆円を目指す2010年度までの経営計画「チャレンジ2010」を発表した。法人市場に対しては、固定網と無線サービスを融合するFMC(Fixed Mobile Convergence)を中心としたソリューションサービスを推進する。

 同社では、2006年からFMCを利用したオフィスコミュニケーションサービスの展開に注力する。これまでに、au電話/無線LAN対応のデュアルモード端末「E02SA」を利用した企業向けVoIP電話システム「OFFICE FREEDOM」を展開している。

チャレンジ2010での事業拡大イメージ。法人市場(下段右側2つ)ではICTで収益、シェアの拡大を図る

 小野寺正代表取締役社長兼会長は、2010年までの法人事業についてICT(Information Communication Technology)を重点分野に掲げる。固定網と無線をシームレスにつなぐ情報プロバイダーとしての立場を確立したいという考えだ。

チャレンジ2010における対法人市場の事業戦略

 これによって、まずはオフィス、在宅勤務(テレワーク)、社外(モバイル)のコミュニケーションサービスでKDDIの強みを確立したい考えだ。そして、業務ソリューションとしてデータ通信を焦点にしたサービスを開発する。最終的には、SaaS(Software as a Service)型の業務アプリケーションサービスを提供し、モバイルでも社内でもリアルタイムに業務情報を利用できる仕組みを目指すという。

最近の法人モバイル市場では、個人が仕事用にも携帯電話を持つことをターゲットにしたサービスが相次いで登場した。1月にはソフトバンクモバイルが月額980円で利用できる「ホワイトプラン」を始めた。基本使用料が安価なことから、通信コストへの意識が高い中小企業が業務連絡用としてホワイトプランの携帯電話を積極的に導入しているといわれる。

 NTTドコモも1台の端末で2つのナンバーとメールアドレスが利用できる「2in1」サービスを4月23日に発表したばかりだ。ドコモのサービスでは、1台の端末を仕事とプライベートを使い分けるといったビジネス用途もを意識した利用シーンを提案する。

小野寺正社長

 このような他社の動向に対し、小野寺社長は「ソリューションとしてKDDIのサービスを使ってもらえる仕組みを提供ことが大切だ」と話し、業種や業務内容など、個々のユーザーの利用シーンに即したサービスを展開していく考えを述べている。

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