日本はユニークなストレージ市場 SNIAフランチェスキーニ会長

SNIAのフランチェスキーニ会長は、データストレージの最新トレンドとして、データの増加の加速を真っ先に挙げ、この管理が世界的な共通課題となっていると話した。

» 2007年05月18日 08時00分 公開
[堀哲也,ITmedia]

 ストレージネットワーキングの普及を目指すSNIA(Storage Networking Industry Association)のヴィンセント・フランチェスキーニ会長は、データストレージの最新トレンドとして、データの増加の加速を真っ先に挙げ、この管理が世界的な共通課題となっていると話した。日本のストレージ市場については、独特なものあったが、最近になってネットワークストレージの導入が進み「世界の動きに合ってきた」と見ている。

ヴィンセント・フランチェスキーニ会長 SNIAのヴィンセント・フランチェスキーニ会長

 SNIAは、ストレージベンダーが中心となって設立した業界団体。ベンダーによって異なるストレージシステムの管理ツールを共通化できるSMISインタフェースの標準化を推進するなど、単独のベンダーでは解決できないストレージ環境の課題を解決してきた。しかし、ストレージに格納されるデータとなると、アプリケーションごとにデータタイプなどが異なるため、統一的なアクセスを行えないでいる。

 特に、各種法規制がデータの長期保管を求めるなど、固定コンテンツ(参照の必要はあるが変化しないコンテンツ)の増加は著しいが、アプリケーション横断的に適切なコンテンツを必要に応じて瞬時に取り出すのは難しい。

 そこでSNIAのデータマネジメントフォーラムでは現在、XAM(eXtensible Access Method)と呼ばれるAPI仕様を定義し、異なるアプリケーションやストレージ間でコンテンツとメタデータを相互解釈できるようにする取り組みを進めている。XAMの策定には、アプリケーションベンダーを含む40社が参画しており、この採用が進めば、情報のライフサイクルに応じた管理が可能になる。

 今年後半にもXAMバージョン1.0をリリースする予定だという。「2008年にもこのインタフェースに対応した製品が登場してくるはずだ」とフランチェスキーニ氏。

日本市場は独特?

 また、フランチェスキーニ氏は、日本のストレージ市場の動向について「ストレージ技術の最前線にあるにもかかわらず、企業が他の国と同じようにそれを取り入れてこなかった」と話す。

 その理由として、メインフレーム利用の比率高さにある点に言及。「常にメインフレームを考慮に入れたソリューションが必要になっている市場環境の難しさが背景にある」と話す。しかし、データの増大から、ストレージに対する柔軟性や管理性の向上を期待する企業が確実に増えてきており、ネットワークストレージの利点がフィットしてきた。

 「調査会社のレポートを見ると、日本のネットワークストレージの採用率は50%にまで高まってきている。これは大きな変化の兆しだ」

 このような動向だけでなく、コンプライアンスといった外部要因も欧米市場と似てきており、SOX法への対応などに向けては、国際的にベストプラクティスを共有することが非常に有効になってくるという。

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