グループウェアとモバイルをつないでみようモバイル Ready!なコミュニケーション活用術(1/2 ページ)

すでに利用してるグループウェアとモバイルはどのように接続すればよいのだろうか。代表的なNotes/Dominoを例に、快適な利用法とあわせて見ていこう。

» 2007年05月25日 09時59分 公開
[松尾圭浩,ITmedia]

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 グループウェア製品として今なお多くの企業で利用されているNotes/Domino。この製品は、非定型な情報を扱うことが得意なデータベースで、メール、カレンダー&スケジュール、会議室予約といった基本的な機能に加え、ディスカッション、掲示板、文書ライブラリといった情報共有を目的とした利用を行っているユーザーも多いことだろう。

 

さらには、自社の業務にあわせて独自にデータベースを開発しているケースも多く、営業担当者が日々の商談活動を登録するデータベースや、出張申請や稟議書のように複数人の担当者が関係するワークフローの自動化を実現するデータベースといった具合に、日常の業務に欠かすことができない、もはやインフラとして利用されている。情報共有や日常業務での利用においては、こまめに情報登録を行うことが重要なので、後で一括して入力しようとすると、誤った情報を入力したり、入力すること自体を忘れてしまうこともある。

 

そのため、必要な時にタイムリーに情報の入力や参照ができなければならない。出張先のホテルや外出先で顧客を目の前にしている状況においても、情報の参照、登録、更新が必要な場合がある。Notes/Dominoでは、このような事務所のデスク以外の場所からモバイル環境で利用することを前提とした機能が当初から用意されている。ここでは、Notes/Dominoにおけるモバイル利用について、2回に分けて紹介していこう。

Notes/Dominoにおけるモバイル環境

 まずNotes/Dominoの利用環境を確認してみよう。複数のユーザー間で情報を共有したいデータベースをDominoサーバ上に配置し、ネットワークを介して接続したクライアントマシンから利用する(図1)。一般に、モバイル環境と呼ばれるのはサーバとクライアントマシンを接続するネットワーク部分が、事務所のようにLAN環境を利用することができず、携帯電話やPHSなどの移動体無線通信を利用したり、街中の無線LANホットスポットを利用して会社のネットワークに接続することを指す。

図1:Notes/Dominoにおけるモバイル環境

 

最近では、高速なネットワーク回線を安価に利用できるようになってきたが、事務所内のLAN環境に比べると、やはりモバイル環境は低速だという点を考慮する必要がある。また、モバイル環境での利用は、クライアントマシンを外出先に持ち歩くことになるため、PCに比べ性能は劣るものの、可搬性の良いPDAや携帯電話などが利用されるケースも目立っている。

 

そのため、必ずしも専用クライアントの「Notesクライアント」を利用する必要はなく、WebブラウザやOutlookなどのメールアプリケーションをクライアント側のアプリケーションとして利用できる。つまり、Notes/Dominoにおけるモバイル利用を考える場合は、ネットワーク部分とクライアント部分のそれぞれについて、どのような手段を採用するかを検討する必要がある。

Dominoサーバとの接続形態

 モバイル環境においてNotes/Dominoを利用するには、まず、どのようにしてDominoサーバに接続するかを検討する必要がある。以前から利用されている方法では、PCにモデムを装着し、自宅やホテルの電話回線を接続したり、携帯電話やPHSを接続して、直接Dominoサーバや企業のネットワークにダイヤルアップ接続を行う方法がある。これは、Notesクライアントのダイヤルアップ接続の機能を利用するため、あらかじめ個人アドレス帳にDominoサーバに接続する際の電話番号を登録して利用できる(図2)。

図2:ダイヤルアップ接続時の設定

 

一方、最近ではホテルに備え付けのLANや無線LANのホットスポットなどを利用し、インターネットを介してVPN接続を行い、企業内のネットワークに接続しているマシンと同様の環境で利用するケースが増えている。この場合は、OS上でVPN接続を行うため、Notesクライアントにとっては、企業内のLAN接続とまったく同じような環境で利用していることになり、特別な設定の必要が無い。

 もし、モバイル利用を前提にノートPCをNotesクライアントマシンとして利用している場合、事務所内ではネットワークにLAN接続し、外出先ではPHSを利用してダイヤルアップ接続を行うというように、1台のマシンを異なるネットワーク環境を使い分ける必要がある。そこで、Notesクライアントには、あらかじめ利用するネットワーク環境に合わせた設定を登録し、接続する環境に応じてこの設定を切り替えるだけで利用できるような仕組みが備わっている。これを「ロケーション」と呼ぶ。ユーザーは、画面右下のロケーションボタンをクリックすることで、その環境に合う設定に切り替えられる(図3)。

図3:ロケーションの切り替え
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