末岡氏の見るところによれば、今年はどうやら、ケータイ向け広告市場で大きな動きがありそうな雲行きである。現状では、せいぜいがDMや、バナー広告など、PCの延長線上でしかないが、ケータイ端末という分野に限った形で開発が進むことになれば、なかなか面白いことになりそうだ。注目していきたい。
いまや、Webのトラフィックはポータルサイトではなく、検索エンジンになっている。小川浩氏は、「Speed Feed」のFeed と Webのトラフィックの違いで指摘した。つまり、検索されない情報は死蔵されてしまうと。
それに対してFeedは、いちど購読してもらえれば、発信する側にとっても、受信する側にとっても有益な情報のやり取りができる。しかし、現状でFeedは寿命が非常に短い価値しか持たず、その存在を発見されることも難しい。そこで、Feedで得た情報をWebに置き換えて、クチコミのような付加価値を考えていくという。
Feedの普及に関しては、Windows VistaとRSSリーダー機能を搭載したInternet Explorer 7の普及にかかっていると言えるかもしれない。ただし、まだVistaよりもXPを利用するユーザーも多く、IE 7も表示されないページがあるなどの問題があるため、Vista SP1がリリースされるあたりが1つの起点になるだろう。
Feedに関しては、谷川耕一氏「むささびの視線」のFeedの話を聞いていて、クローラに興味を持ったも、興味深いエントリだった。
5月24日のITmedia Newsに掲載された「スパムはもう問題じゃない?」という記事を受けて、2つのオルタナティブ・ブログで、見方が異なるエントリー投稿があった。
まず、ITmedia海外速報部・広瀬氏「海外速報部ログ」の編集部に来た気になるスパムだ。ちょっと変わったスパムメールの紹介で、結びとしてはアメリカではポルノ関連スパムが減っているというが、編集部に来る出会い系は一向に減った気がしないとしている。
筆者は、スパムメールは資料としてフォルダ分けしているのだが、正直、アダルト関連のスパムは減る気配がない。加えて、広瀬氏が引用したような変わり種のスパムもたまに見かける。
ただし、筆者の場合もそうだが、ほとんどのスパムはフィルタリングできてしまう。筆者の場合はウイルスバスターを使っているが、スパムにはほぼ[MEIWAKU]と件名に付与されるので、振り分けやすいのだ。さらに、メールサービスによっては、ユーザーに渡る以前にフィルタリングしてしまうものもあるため、直接目にするケースが減ったのかもしれない。
これに疑問を投げかけたのは、小林啓倫氏「シロクマ日報」に投稿されたスパムはもう問題じゃない?本当に?。
実は、先に挙げた記事では、「スパム」というのは「スパムメール」を指しているのだが、小林氏にとってのスパムはいまや「トラックバックスパム」「コメントスパム」になっていたのである。これらは逆に、日々増える傾向にある。もちろん、ブログサービスごとに対策を取っているのでかなりの数のスパムは排除されてしまい目にすることが少なくなったが、それらをかいくぐるスパムは数多く付けられるのだ。それほど閲覧者がいないブログを書いている筆者であっても、日々、スパムには悩まされている。
しかし、スパムの本当の問題は、目にしないことではない。小林氏のエントリについたコメントにあった通り、スパムによって帯域を取られてしまうことにある。1つや2つならばどうってことないかもしれないが、それが何10、何100となった時には、大量のスパムが送信され、それらがフィルタリングされようがいまいが、確実にインターネット上の帯域を占有してしまうわけである。いかに個人ごとの利用帯域が大きくなってきたといっても、問題は大きい。
各種サービス会社にとって、いかにスパムを発信できないようにするのかが、今後の目標になるのかもしれない。
「オルタナブログ通信」で何度となく取り上げてきたテーマが、著作権にまつわる問題だ。この問題に関しては少々長くなるので、ブログサービスなどを交えつつ稿を新たにしたいと思う。
ただ1点だけ、5月25日に東京地裁で行われた裁判の判決については、ここで取り上げておきたい。
今週も複数のオルタナティブ・ブログで著作権絡みのエントリが投稿されたが、中でもここでは栗原潔氏「栗原潔のテクノロジー時評Ver2」に投稿された副作用が大きすぎるストレージ・サービス違法判決とMYUTA事件の判決文が公開されましたについて言及しておきたい。
すでに多くのブロガーも反応している問題で、いろいろな論考がなされているが、これはあくまでもMYUTAというサービスにおいて、著作物の複製を行うのはストレージサービスを利用するユーザーではなく、サービスを提供する会社側であるとし、著作権侵害にあたるという判決となっている。
判決文と別紙がPDFで公開されているので興味がある人は目を通してみるとよいだろう(判決文、別紙)。
ブロガーの中には、これが拡大解釈されて大変なことになるのではないかという人もいるが、この判決に限って言えばそれは杞憂のように、筆者は感じる。ただし、裁判官が変わると、180度違った解釈を展開する可能性もあるので注意が必要だ。
ネットと著作権に関する問題は、これだけではない。今後、新世代の著作権法が作られていくだろうが、注視すべきだろう。
以上、5月24日から30日にかけてのオルタナティブ・ブログに投稿されたエントリーから、筆者が気になったものをピックアップしてみた。
オルタナティブ・ブログには、数多くの興味深いエントリが投稿されている。ここで取り上げたのは、あくまでもごく一部である。ぜひ、本記事を通して興味を持つものがあったら、それぞれのブロガーの本投稿も読んでほしいと思う。
オルタナティブ・ブログを読む際の参考としては、まず「ブロガー一覧」を見ることをオススメする。各ブロガーの最新投稿タイトルが表示されており、そこから自分の興味があるエントリーを探してみよう。そこからお気に入りのブロガーを見付けることができるかもしれない。また、「最新投稿一覧」から、オルタナティブ・ブログ全体の最新投稿記事をRSSリーダーなどでチェックするのもよいだろう。
ITの今を知る、新たな発見があるに違いない。
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