「YouTubeも大丈夫」、ジュニパーが伝送能力1.6Tbpsの大容量ルータを発表

ジュニパーネットワークスは1.6Tbpsの高速ルーティングを実現するコアルータを投入し、サービスプロバイダーでの新規需要の掘り起こしを狙う。

» 2007年06月12日 13時39分 公開
[堀見誠司,ITmedia]

 ジュニパーネットワークスは6月12日、サービスプロバイダー向けのコアルータ「T1600」を発表した。ハーフラックサイズのコンパクト設計ながら、1.6T(テラ)bpsの伝送能力を実現したのが特徴。

画像 T1600

 T1600は、従来の同社コアルータ「T640」の上位機に当たる。T640の640Gbpsの2.5倍に当たる1.6Tbpsのスループットを誇るが、サイズはT640と同様、高さ95×幅44×奥行き78cmのハーフラックサイズのシングルシャーシに収めた。従来製品をベースにT1600のスループット(1.6Tbps)を実現した場合のスペックを比較すると、「容積で60%、消費電力で49%、重量で67%投資効率が向上する」(同社の大須賀雅憲代表取締役)としている。全二重100Gbpsの大容量に対応する転送処理用ASIC(特定用途向けカスタムIC)において省電力化に成功したという。

画像 競合ルータ製品とのサイズ比較

 ジュニパーは、同ルータを大容量/高速化、省スペース、きめ細かなトラフィックコントロールといった新規サービスの要件に応えるサービスプロバイダーやキャリア向けに売り込む考え。新しいサービスを即開始できるよう、ラインカード、電源モジュール、モジュールOSなどを共通化することで、T640からのアップグレードを容易にした。ジュニパーによると、電源モジュールやインタフェースを交換して、制御を確立するまでに要する時間はわずか1時間半程度だという。

 コアルータでは軽視されがちなトラフィックコントロール部分についても、Tシリーズ同様、動的な経路選択を行うMPLS LSP(Label Switch Path)やサービスレイヤでポリシーベースのQoS(Quality of Service)を割り当てる機能を備える。また、処理可能なサービスキューを従来の4つから8つに増やした。「YouTubeなどに代表されるリッチコンテンツによるトラフィックの急増にも対応できる」(大須賀氏)。

 T1600の出荷時期は第4四半期の予定。同社は13日より開催される「Interop Tokyo 2007」の展示会に同製品を出展する。

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