SMBに強いディーリンク、5万円を切る認証スイッチInterop Tokyo 2007

ネットワーク機器中堅のディーリンクジャパンは、認証機能付きのスイッチと検疫システムとの連携ソリューションをInterop来場者に紹介している。

» 2007年06月14日 17時11分 公開
[堀見誠司,ITmedia]

 台湾の中堅ネットワークベンダー、ディーリンクの日本法人ディーリンクジャパンは、「Interop Tokyo 2007」展示会場でエンドポイントセキュリティにフォーカスしたソリューションを紹介した。

 同社が「Unified Endpoint Security」として展示しているのは、10/100および1Gbps対応L2イーサネットスイッチ「xStack」を利用した端末のユーザー認証/検疫ネットワークシステム。xStack DES-3400/3500/3600/3800シリーズでは、MAC、IEEE 802.1x、Webベースの各ユーザー認証および認証VLANといった端末認証機能をサポートするが、エンドポイントでのセキュリティ対策に一歩踏み込んだシステムの提案を検討している。

画像 ディーリンクブースでは認証スイッチを使った検疫システムをデモ

 具体的には2つの検疫ネットワークの検証を行っている。1つはNTTデータ先端技術の検疫ソリューション「NOSiDE」と連携するシステム。検疫用VLANに設置したNOSiDEサーバが、スイッチポートに接続するPC端末のセキュリティパッチの適用状況、ウイルス対策ソフトやファイアウォールの設定などをチェックし、セキュリティポリシー沿った状態でのみ社内LANへの接続を許可、不適切な端末からのウイルス/ワームの侵入を防ぐ仕組みだ。このシステム連携の検証は7月までに完了する見込みだという。

 もう1つは、マイクロソフトのWindows Server 2008やVistaなどで実現する検疫システムNAP(Network Access Protection)に対応するもの。xStackからWindowsクライアントのセキュリティ状態と認証に関する情報をポリシー管理サーバに問い合わせ、規定のポリシーに従って端末のアクセスをコントロールしたり、最新のパッチが当たっていなければセキュリティアップデート用のサーバからパッチを適用したりできる。また、ログイン後のクライアントについても、例えばWindowsファイアウォール機能を切ると自動的にネットワークから切断するなどの検疫処理が行える。同社はxStackのNAP対応をうたっており、無線スイッチやUTM/ファイアウォール製品についても対応を予定している。

21年目のチャレンジ

 「SMB(中堅・中小企業)向けLAN製品市場でわれわれはトップシェア」と語る大久保融代表取締役社長は、ディーリンクの強みは地道に顧客の声を拾い製品作りに反映していく姿勢だという。デスクトップLANスイッチにもセキュリティや管理機能を実装していくのは当然の流れと言える。

画像 「レイヤ2とレイヤ3ではアプローチが異なる」とディーリンクジャパンの大久保社長

 また、カントリーマネジャーが自身の権限を持ってマーケティングができることも同社の特色だ。イベントに合わせて発表した8ポートのギガビットイーサネット(GbE)スイッチ「DGS-3200-10」は、幅280×高さ43×奥行き180mmのコンパクトな筐体、4万9800円という低価格でありながら、端末認証、検疫システム連携、SNMP対応などxStack上位モデルと同等のエンドポイントセキュリティや管理の機能を持ち合わせる。これは日本で企画、設計した製品だという。「国内の企業では珍しくない“島ハブ”を置き換えるエッジスイッチとして販売する。海外主導ではこのような発想はできないだろう」(大久保氏)。

画像 コンパクトGbEスイッチ「DGS-3200-10」は「Best of Show Award」インフラ構築製品(Edge)部門でグランプリを受賞した

 「ディーリンクは、デスクトップLANやレイヤ2、そして品質面のノウハウを積み重ねて20年間やってこれた。ほかの大手の外資系ベンダーによる上(大企業)から下(中小企業)へのソリューション展開とは逆の、下から上への展開で独自色を出したい。今年も順次、日本企業に合ったネットワークセキュリティ/管理の製品を発表していく予定だ」(大久保氏)

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